| 止まらない既定の月予算 | 200ドル |
|---|
AWSがClaude Codeの遠隔実行を公開 結果はプルリクで返る
AWSは11月6日、Claude CodeをAmazon Bedrock AgentCoreで遠隔実行する見本を公開しました。作業を渡したらノートPCを閉じてよく、結果はGitHubのプルリクエストで戻ってきます。
見本の名前はsample-remote-coding-agentです。ライセンスはMIT-0なので、コードは無料で使えます。中の流れは次の5つでした。
- 作業ごとに専用のmicroVMを立て、終わるとメモリの中身を消す
- 計画と見直しはClaude Opus、書くのはClaude Sonnetが受け持つ
- リポジトリのテストを同じ場所で流して確かめる
- やり直しは3回までで、通らなければそこで止まって下書きのプルリクで返す
- マージはせず、最後は人が見て決める
頼み方は2通りです。Webの管理画面に書くか、Claude Codeにプラグインを入れて「/sample-rca:remote」で渡します。

使わない間も課金が続く 東京は30日で23,028円
この見本は、作業をしていない間も料金がかかる作りです。AWSは見本全体の月額も、1回あたりの目安も出していません。
AInformationが見本のコードを読むと、NATゲートウェイ1つと窓口5種類が常に置かれていました。窓口はインターフェース型エンドポイントのことで、2つのゾーンに1つずつ置かれます。
| 30日置いた場合 | 東京 | オレゴン |
|---|---|---|
| NATゲートウェイ1つ | 44.64ドル | 32.40ドル |
| 窓口5種類×2ゾーン | 100.80ドル | 72.00ドル |
| 合計 | 145.44ドル | 104.40ドル |
| 円にすると | 23,028円 | 16,530円 |
AInformationの試算です。公式の時間単価に720時間をかけ、1ドル158.33円(欧州中央銀行の11月6日の値)で円にしました。データ処理料やWAF・Cognito・ログの料金は含みません。
作業を流すと、BedrockとAgentCore Runtimeの使用料がさらに乗ります。見本は既定でBedrockに月200ドル(31,666円)の予算を作る設定です。届くのは通知のメールだけで、支出は止まりません。
計算に使った公式の単価は、東京のNATゲートウェイが1時間0.062ドルです。窓口は1か所1ゾーンで1時間0.014ドルで、オレゴンはそれぞれ0.045ドルと0.01ドルでした。
見本が置く部品の公式の単価
| 項目 | 東京 | オレゴン |
|---|---|---|
| NATゲートウェイ(1時間) | 0.062ドル | 0.045ドル |
| NATのデータ処理(1GB) | 0.062ドル | 0.045ドル |
| 窓口1つ・1ゾーン(1時間) | 0.014ドル | 0.01ドル |
東京でも動くが既定は国外も通る 残る穴は3つだ
対象の地域は5つで、東京(ap-northeast-1)も入っています。ただし部品の一部の置き場は、必ずバージニア北部(us-east-1)です。
モデルの呼び出しは、既定でglobalの推論プロファイルを使います。東京に置いても国外の地域で処理されることがある設定です。国内に寄せたい会社は、配備のときに地域を絞った指定へ替える必要があります。
READMEが自分で認める3つの穴
- ガードレールが見るのは入力した指示だけで、ファイル経由のプロンプトインジェクションは見ない
- GitHubアプリは1つで、入れた全部のリポジトリに書き込める
- 外へのHTTPSは止めきれず、塞ぐのはapi.anthropic.comなど名指しの先だけ
READMEは、失って困るものを持たないGitHubアカウントで使うよう求めています。信用できない他人のコードと終わりの見えない仕事は、避けたほうがよさそうです。
試す前に決める3つ 専用アカウントと片付けの順番
準備にも時間がかかります。配備に15〜25分、リポジトリの登録にさらに8〜12分が要る見込みです。手元のPCでは約1.3GBのイメージを作ります。
- 専用のAWSアカウントを用意し、既定のブランチに保護をかける
- 片付けは登録の解除→GitHubの切断→スタックの削除の順に進める
- スタックを消しても表とログは残るので、自分で消す
順番を逆にすると、どのスタックにも属さない部品が残って請求が続きます。まずはテストが通る小さなリポジトリで1件だけ流すと、戻ってくるプルリクの形がつかめます。
Claude Codeを自分で使うなら使い方と入れ方/料金とProで使える回数/AIコーディング4本の比べ
- microVM
- CPU・メモリ・ファイルを作業ごとに切り分けた軽い仮想マシン。この見本では作業が終わるとメモリの中身を消す。
- 推論プロファイル
- Bedrockでモデルをどの地域で動かすかを決める指定。globalだとAWSのどの商用リージョンでも処理されうる。
※記事の事実とは分けて、筆者の考えを書いています。
分析・考察開発チームが最初につまずくのは、費用の持ち主が決まらないことだとみている。席ごとの契約が要らない代わりに、時間料金がAWSの請求にまとめて載る。誰の予算で払うかを決めないまま試すと、置きっぱなしの環境が月をまたいで残りやすい。
情報システム部門は、試す前に専用のアカウントと片付けの担当を決めておきたい。国内での処理を条件にしている会社なら、既定のglobalの指定のまま本番のコードを渡さないことも大事になる。
- AWSのClaude Code遠隔実行は東京リージョンで使える?
- 使えます。対象はAgentCore Runtime V2が動く5つの地域で、東京(ap-northeast-1)が入っています。大阪は入っていません。部品の一部は配備先にかかわらずバージニア北部(us-east-1)に置かれます。モデルの呼び出しも既定はglobalの指定なので、国外の地域で処理されることがあります。
- sample-remote-coding-agentを置いておくといくらかかる?
- AWSは全体の月額も1回あたりの目安も出していません。AInformationが見本のコードと公式の単価から試算すると、東京で30日置くだけで145.44ドルでした。1ドル158.33円で23,028円です。NATゲートウェイ1つと窓口10か所の時間料金だけの額です。作業を流すとBedrockとAgentCore Runtimeの使用料が足されます。
- 月200ドルの予算を超えたら自動で止まる?
- 止まりません。見本が既定で作るのはAmazon Bedrockの月200ドルの予算で、届くのは通知のメールだけです。この予算はBedrock以外のサービスを見ていません。使い終わったら、登録の解除→GitHubの切断→スタックの削除の順で片付ける必要があります。
- 社外から受け取ったコードの修正にも使える?
- 向いていません。エージェントはリポジトリのテストや準備のコマンドをそのまま実行し、その安全までは守れないとAWSが書いています。ガードレールが見るのは入力した指示だけで、ファイルから入る指示の乗っ取りは防げません。向いているのは信用できる自社のリポジトリでの機能追加やバグ直しです。
【この記事の出典】
- AWS Machine Learning(この記事の元にした報道)補助資料・2026年11月7日に確認
