CINCが参照URLの取得を追加 引用URLとは別に見る
CINCは10月26日、社内で使うAI検索対策のツールに新しい機能を足しました。ChatGPTとClaudeが回答を作るときに参照したページのURLを取り出せます。
同社は2つのURLを次のように分けて呼んでいます。
- 参照URL:AIが回答を作るときに情報源にしたページ
- 引用URL:回答の中に出典として表示したページ
両者は必ずしも一致しないと同社は説明します。分析の途中では、回答の中身が引用先のページで確かめられない例も見つけたそうです。
新機能は質問ごとに、次の4つを一覧にします。
- 指定した質問とAIの回答
- 回答の中の引用URL
- 回答を作るときの参照URL
- 参照したページのタイトル
ツールは社内用で、自社のGEO/LLMOのコンサルティングに使う方針です。顧客や競合に触れたAIの回答が、どのページを元にしているかを調べます。
OpenAIのAPIで8回試した 参照275件に引用は23件
同じことが起きるかを、AInformationがOpenAIのAPIで試しました。8回の合計で参照は275件、回答に出た引用は23件です。
AInformation独自検証(11月7日)。GPT-6 LunaにWeb検索を使わせ、参照の一覧を返す設定だけを足しました。質問は次の4つで、各2回ずつ聞いています。
| 質問(各2回) | 参照 | 引用 |
|---|---|---|
| AI議事録ツールのおすすめ3つ | 33件・33件 | 3件・3件 |
| 社員30人向けの会計ソフト3つ | 18件・34件 | 3件・2件 |
| 法人向けの名刺管理サービス3つ | 46件・34件 | 3件・3件 |
| 生成AIの社内研修の会社3社 | 37件・40件 | 3件・3件 |
1回あたりの参照は18件から46件でした。引用はどの回も2件か3件で、参照の1割に届きません。
参照の一覧には、回答に出てこない料金表のPDFや決算資料も並びました。引用23件のうち22件は一覧にあり、1件は一覧に無いページでした。
引用23件は全部が公式ページ 比較記事は40件読んで0件
AInformationが数えると、引用された23件はどれもサービスを出している会社自身のページでした。中身は料金ページ・製品ページ・ヘルプ・お知らせです。
- 比較サイト・まとめ記事・掲示板・動画の参照:8回で延べ40件
- そのうち回答に引用された数:0件
4問とも、1回目と2回目で引用された会社の顔ぶれが入れ替わりました。同じ質問でも、出典に出る会社は毎回同じではありません。
Geminiは8回中3回は検索しなかった
同じ4問を、GeminiのAPI(Gemini 3.8 Flash・Google検索あり)にも聞きました。検索したのは8回中5回です。出典が返ってこなかった回が3回あり、どれも検索せずに答えていました。
引用の数はGeminiのほうが多く、1回に12件から23件の出典が付きました。ただ読んだだけのページの一覧は入っていません。参照と引用を分けて数えることができたのは、OpenAIのAPIだけです。

引用は1回3件まで まず自社の料金ページを整える
今回の8回を見る限り、引用に近いのは自社の料金ページや製品ページでした。比較サイトに載ることより先に、自社のページを見直すほうがよさそうです。
- 料金とプランを画像でなく文字で載せる
- 自社のサービス名で質問し、回答と出典を残す
- APIを使える人は、参照の一覧を返す設定で自社が読まれているかを見る
CINCは、ChatGPTとClaudeで参照と引用の傾向を比べる使い方も考えています。AIごとに引用される先が違うなら、対策も1つでは済まなくなります。
- 参照URL
- AIが回答を作るときに情報源にしたページのURL。回答に出典として表示される引用URLとは一致しないことがある。
- GEO/LLMO
- AI検索最適化のこと。生成AIの回答に自社のサイトが引用され、ブランドが適切な文脈で薦められることを目指す取り組み。
※記事の事実とは分けて、筆者の考えを書いています。
分析・考察回答のリンクだけを見てAI検索対策の良し悪しを決めると、判断を誤りやすいとみている。今回の8回でも、引用されなかったのに参照の一覧に入っていた会社が多かった。
一方で、引用されたのは自社の料金ページや製品ページばかりだった。マーケティングの担当者は、比較サイトへの掲載を増やす前に自社のページを見直したい。参照URLの分析が社外でも使えるようになるかは、まだ発表されていない。
- ChatGPTの回答に自社サイトのリンクが無ければ、読まれていないのか
- 読まれていないとは限りません。CINCは、AIが回答を作るときに参照したページが全部は引用されないと説明しています。AInformationがOpenAIのAPIで8回試すと、参照275件に対して引用は23件でした。引用されなかったページの中には、回答に出た会社の料金表のPDFや資料も入っていました。
- CINCの参照URLを取り出す機能は自社でも使える?
- 単体で使える形では出ていません。CINCが社内で使うAI検索最適化のツールに足した機能で、同社のGEO/LLMOのコンサルティングに使うと説明しています。AIの回答の現状を知りたい企業向けには無料診断を出しています。ツールの料金や販売の予定は元記事に書かれていません。
- ChatGPTに引用されやすいのはどんなページ?
- 今回の8回では、引用23件がすべてサービスを出している会社自身のページでした。料金ページ・製品ページ・ヘルプ・お知らせです。比較サイトやまとめ記事は掲示板と動画を合わせて延べ40件読まれましたが、引用は0件でした。4つの質問を各2回聞いただけなので、ほかの分野でも同じとは限りません。
- Geminiでも参照と引用の違いは見られる?
- GeminiのAPIでは見られませんでした。Gemini 3.8 Flashに同じ4問を各2回聞くと、返ってきた出典はすべて回答の文に結び付いていました。読んだだけのページの一覧は入っていません。8回中3回は検索をせずに答え、出典は0件でした。
【この記事の出典】
- ITmedia AI+(この記事の元にした報道)補助資料・2026年11月7日に確認
