GPT-5.6 Lunaは80%下げ Opus 5.5も入出力20%下がった
OpenAIは7月30日、低価格モデル「GPT-5.6 Luna」の単価を80%下げた。100万トークンあたりの入力は1ドルから0.20ドルへ、出力は6ドルから1.20ドルへ下がった。1ドル157.96円で円にすると、入力は約158円から約32円になる。
主力モデルも世代が変わるたびに安くなっている。6月のGPT-5.6 Solは入力5ドル・出力30ドルだった。9月29日に出たGPT-6.1 Solは入力2ドル・出力10ドルで、キャッシュ読み込みは0.10ドルだ。
Anthropicは9月22日にClaude Opus 5.5を出し、入力と出力をOpus 5から20%下げた。キャッシュ読み込みは60%下げている。両社とも理由に提供コストの低下を挙げ、Anthropicは少ない計算資源で動かせるようになったと説明した。
編集部が10月29日に両社の料金ページを開くと、GPT-6.1 SolとOpus 5.5の単価は発表どおりに載っていた。前の版のOpus 5も入力5ドル・出力25ドルのまま一覧に残っている。

- 7/30OpenAIがGPT-5.6 Lunaを80%値下げ
- 9/22AnthropicがClaude Opus 5.5を発表し単価を20%下げた
- 9/29OpenAIがGPT-6.1 Solを入力2ドルで出した
- 10/24DeepSeek V4.1 Flashを売る事業者が29社に
値下げの理由は乗り換えやすさ 9月は28.6%が開発元を替えた
データサイエンティストのマックス・ウルフ氏が1つ目に挙げるのは、モデルを替える手間の小ささだ。OpenCodeやZed Agentのような開発支援ツールでは、使うモデルをすぐ切り替えられる。利用者を1社に囲い込みにくいという見立てだ。
複数のAIをまとめて呼べるVercelのAI Gatewayでも、その動きは数字に出ている。9月の1か月で、いちばん多く使うモデルを替えたチームは48.0%だった。開発企業まで替えたチームも28.6%いた。
Hacker Newsには、OpenAIとAnthropicにサイバーセキュリティを理由に断られた作業をKimiやGLMで終えたという書き込みもある。そちらのほうがずっと安く、途中で止まらなかったという。
主なモデルのAPI単価(100万トークン)
| モデル | 入力 | 出力 | キャッシュ読み込み |
|---|---|---|---|
| Claude Opus 5.5 | 4ドル(約632円) | 20ドル(約3,159円) | 0.20ドル(約32円) |
| GPT-6.1 Sol | 2ドル(約316円) | 10ドル(約1,580円) | 0.10ドル(約16円) |
| Claude Sonnet 5.5 | 2ドル(約316円) | 10ドル(約1,580円) | 0.10ドル(約16円) |
| GPT-5.6 Luna(値下げ後) | 0.20ドル(約32円) | 1.20ドル(約190円) | 記載なし |
| DeepSeek V4.1 Flash(DeepSeek自身) | 0.15ドル(約24円) | 0.60ドル(約95円) | 0.003ドル(約0.47円) |
処理の71.5%は公開モデル DeepSeekは29社が売っている
2つ目の理由はオープンウェイトモデルとの価格競争だ。重みが公開されているので、開発元以外の会社も同じモデルを動かして売れる。
OpenRouterのDeepSeek V4.1 Flash 1017のページには、10月24日時点で29社が並んでいた。DeepSeek自身の単価は入力0.15ドル(約24円)・出力0.60ドル(約95円)だ。キャッシュ読み込みは0.003ドル(約0.47円)で、通常の入力の2%に収まる。
出力100万トークンの単価で並べると、Claude Opus 5.5は20ドル(約3,159円)になる。GPT-6.1 SolとClaude Sonnet 5.5は10ドル(約1,580円)で並ぶ。単価だけで比べれば、DeepSeekは3つのどれよりも安い。
VercelのAI Gatewayでは、9月に扱った全トークンの71.5%を公開モデルが処理した。ところが支出に占める割合は23%にとどまる。量の多い下ごしらえは安いモデルへ回し、難しい仕事だけを高いモデルに渡す使い分けが進んでいるようだ。
4月を100とすると、9月の利用量は790.8、支出額は342.7、平均単価は43.3だった。単価が下がっても使う量がそれ以上に増え、支出の合計は膨らんでいる。

社内でAPIを使う部門は キャッシュの単価から見直す
Anthropicによると、AIエージェントやコーディングの作業では費用の大部分をキャッシュ読み込みが占める。だから入力と出力より先に、キャッシュの単価を比べておきたい。Opus 5.5は0.20ドル(約32円)、GPT-6.1 Solは0.10ドル(約16円)だ。
公開モデルへ移すなら、どの事業者を通すかも決めておく必要がある。OpenRouterには安い事業者を優先して呼ぶ設定がある。同じモデルでも事業者ごとに単価が違うので、契約の前にモデルのページで一覧を見ておくとよさそうだ。
ウルフ氏は、利用者を集めてから大きく値上げする戦略を両社が取るのは難しいとみている。同じくらいの質のモデルを複数の事業者が安く出しているからだ。単価を年単位で固める契約は、半年後の値下がりも見込んでから決めても遅くない。

- キャッシュ読み込み
- 一度処理した入力を再利用するときの料金。エージェントやコーディングでは費用の大部分を占めるとAnthropicは説明している
- オープンウェイトモデル
- 学習で決まる数値データ「重み」を公開したモデル。開発元以外の会社も動かして売れるので価格競争が起きやすい
企業のAPI利用で請求額を左右するのは、単価表の上の段より下の段にあるキャッシュの単価だ。社内の検索やエージェントは同じ資料を何度も読ませるので、そこの差がそのまま月の請求に出る。一方で公開モデルへ移すときは、どの国のどの事業者にデータを渡すかを情報システム部門が先に決めておかないと、安さが分かっても稟議で止まる。値下げが続くとみるなら、モデルを差し替えやすい作りにしておくことが一番の節約になりそうだ。
- Claude Opus 5.5のAPI料金はいくら?
- 100万トークンあたり入力4ドル・出力20ドル・キャッシュ読み込み0.20ドルだ。1ドル157.96円で換算すると入力約632円・出力約3,159円になる。前のOpus 5と比べて入力と出力は20%、キャッシュ読み込みは60%下がった。Anthropicは標準設定の一般的な作業なら総コストがOpus 5より40%低くなると説明している。
- DeepSeekのAPIはどこで安く使える?
- OpenRouterのDeepSeek V4.1 Flash 1017のページで事業者を選べる。10月24日時点で29社が並び、キャッシュ読み込みが100万トークンあたり0.003ドル前後の事業者が複数あった。DeepSeek自身は入力0.15ドル・出力0.60ドルだ。OpenRouterには安い事業者を優先して呼ぶ設定もある。
- OpenAIやAnthropicのAPIは今後値上げされる?
- マックス・ウルフ氏は大きな値上げは難しいとみている。同じくらいの質のモデルを複数の事業者が安く出していて、利用者が乗り換えやすいからだ。VercelのAI Gatewayでは9月に28.6%のチームが開発企業まで替えている。ただしこれは見立てで、両社が値上げをしないと約束したわけではない。
この記事の出典
補助資料
- [1]GIGAZINEこの記事の元にした報道
出典の最終確認日:2026年10月29日
