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英語版の新規記事の20%がAI製と判定 2026年初めは15〜16%
英語版Wikipediaでは2025年末の時点で、新しい記事や下書きの約20%がAI生成と判定されていた。数字を出したのは、AI製の文章を見つけて消すボランティア活動「WikiProject AI Cleanup」の創設メンバーのエリア・ルブルー氏だ。AI検出器を出しているPangramと組んで割合を見積もった。
2026年初めには15〜16%まで下がった。ただし決まりができた効果なのかは分かっていない。モデルが賢くなって検出器が見抜けなくなった可能性もあり、2026年10月の時点では答えが出ていない状態だ。下がった数字をそのまま「AI製が減った」とは読めない。
この活動が始まったのは2023年12月だ。当時のChatGPTによく出る偏った言い回しが、Wikipediaの記事に多く見つかったのがきっかけだった。

- 3/15Chaotic Enby氏がAI利用の改定案を提出
- 3/20賛成44票・反対2票で英語版に禁止を明記
- 11/2日本語版の注意書き付き記事は241本
英語版は本文のAI生成を禁止 賛成44票で決まった
英語版は2026年3月に、文章生成AIで記事の中身を書いてはいけないとガイドラインに明記した。2025年12月の議論では合意だけで終わり、2026年3月15日に編集者のChaotic Enby氏が出した改定案で決着した。3月20日の締め切りで賛成44票、反対2票だった。
全部を禁じたわけではない。文章の手直しと翻訳にAIを使うことは認められている。
| 項目 | 英語版 | 日本語版 |
|---|---|---|
| 本文をAIで書く | 原則として禁止 | 検証せずにそのまま投稿しない |
| 手直しと翻訳 | 認める | 翻訳で元に無い記述を足すと削除の対象 |
| AI製が強く疑われる記事 | 人が見つけて消す | 削除の方針のケースHで削除の対象 |
| 決まった時期 | 2026年3月20日に賛成44票・反対2票 | 改名の提案と改訂案を2026年10月から議論中 |
日本語版の欄は、AInformationが11月2日に日本語版の方針ページを開いて確かめた中身だ。

日本語版は「検証せずに投稿しない」 241本に注意書きが付いていた
日本語版は英語版ほど強く禁じていない。方針ページの1行目は「大規模言語モデルが生成した文章や出典を、検証せずにそのまま投稿しないでください」だ。AIで書くこと自体ではなく、確かめずに出すことを止めている。
そのかわり削除の決まりは具体的だ。削除の方針のケースHは、作り話の出典や事実と違う記述など、AIの文章に特有の問題がある記事を削除の対象にしている。人が表現を手直ししていても対象から外れないと書いてある。
AInformationは11月2日に、日本語版でAI生成の注意書き(Template:AI生成)が貼られた記事を数えた。記事の欄だけで241本あった。この注意書きを貼る人は、AI製だと考えた理由を必ず書く決まりになっている。
一方で、英語版のWikiProject AI Cleanupと同じ活動のページは日本語版に無かった。英語版のページから他の言語版へのリンクをたどると、ドイツ語・フランス語・中国語など5つの言語版が並ぶ。その中に日本語版は出てこなかった。日本語版は注意書きと削除の決まりで対応している形だ。

5分で数千語は疑われる 見抜く手がかりは文章の外にもある
WikiProject AI Cleanupは検出器に頼らず、人が記事を読んで見分けている。AIに特有の言い回しを見るだけでなく、文章の外の動きも見る。
- AIに特有の文章の癖や表現
- 書く速さ。5分で数千語の記事をいくつも書いた編集者はAIを疑われる
- 偽の引用や誤解を招く引用。末尾の出典が実在しないケースが増えている
会社でAIに資料を書かせるときも、引っかかるのは3つ目だ。Wikipediaの日本語版も英語版も、出典の作り話をいちばん重く見ている。AIが付けた出典は、リンクを1本ずつ開いて中身と合っているかを確かめておきたい。
WikipediaはAIスロップから守られた場所として、AI企業からも値打ちを認められている。人だけが書いた文章のかたまりは、AIの学習にとって他で作れない材料になるからだ。Google検索のAIによる概要やチャットAIが引用元に選ぶことも多い。運営するWikimedia財団は、AIに引用された記事の最終編集日時も一緒に伝える仕組みを作っている。編集者が問題を指摘しているかどうかも添える考えだ。引用される側の質をどう保つかが、次の焦点になりそうだ。
- WikiProject AI Cleanup
- Wikipediaの決まりに反するAI製の文章を見つけて消すボランティア活動。2023年12月に編集者数名が始めた
- ケースH
- 日本語版Wikipediaの削除の方針の1項目。偽りの出典など大規模言語モデルの生成が強く疑われる記事を削除の対象にする
企業の生成AI研修で一番多い事故は、AIが付けた出典をそのまま資料に載せることだ。Wikipediaが英語版でも日本語版でも出典の作り話を最も重く見ているのは、社内の決まりづくりにもそのまま使える。AIで書くこと自体を禁じるより、出典を人が開いて確かめたかを残すほうが現場は回りやすい。検出器の判定が下がったのに理由が分からないという話も、社内でAI検出ツールだけに頼る危うさをよく示している。
- WikipediaにAIで書いた文章を載せてもよい?
- 英語版は本文をAIで書くことを原則禁じている。2026年3月20日に賛成44票・反対2票で決まった。手直しと翻訳には使ってよい。日本語版はAIの文章や出典を検証せずにそのまま投稿しないよう求めていて、偽りの出典など問題がある記事は削除の対象になる。
- WikipediaはどうやってAI製の文章を見分けている?
- WikiProject AI Cleanupは人が記事を読んで見分けている。AIに特有の言い回しのほか、5分で数千語の記事を何本も書くような速さや、偽の引用も手がかりにする。検出器のPangramとは割合の見積もりで組んだが、2026年初めの数字が下がった理由は検出器の限界の可能性もあり分かっていない。
- 日本語版WikipediaにはAI製の記事がどれくらいある?
- AInformationが11月2日に数えると、AI生成の注意書きが貼られた記事は241本だった。注意書きはAI製の可能性がある記事に読者向けに貼るもので、貼る人は理由を書く決まりがある。英語版のように全体の割合を出した数字は、日本語版では見当たらない。
この記事の出典
補助資料
- [1]GIGAZINEこの記事の元にした報道
出典の最終確認日:2026年11月2日
