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OpenAI、ChatGPTの乗っ取りの穴を修正 報奨金は5,000ドルだ

読了 約5分
手元のスマートフォンにOpenAIのロゴが表示された画面の写真。OpenAI、ChatGPTの乗っ取りの穴を修正 報奨金は5,000ドルだ
この記事の要点

ChatGPTに、細工した共有URLを開いた人の個人データを抜き取れる穴があった。Parameter Labsの報告をSimon Willison氏が10月31日に紹介した。OpenAIは穴をふさぎ報奨金5,000ドルを払った。ログインしたまま共有URLを開く使い方は見直したい。

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5,000ドルOpenAIが払った報奨金

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ChatGPTの共有URLに乗っ取りの穴 OpenAIは修正済みだ

ChatGPTには、細工した共有URLを開いた人のデータを抜き取れる穴があった。見つけたのはParameter Labsで、OpenAIはすでに穴をふさいでいる。米国の開発者Simon Willison氏が10月31日に自身のブログでこの報告を紹介した。

狙われたのはHTMLプレビューという機能だ。ChatGPTが作った操作できるHTMLのアプリを、会話の画面の中に表示する。OpenAIが以前Canvasと呼んでいた仕組みの最新版にあたる。

このアプリはサンドボックスと呼ぶ隔離された枠の中で動く。外から来たコードがOpenAIのAPIに触れたり個人のデータを読んだりしないよう、枠を固く閉じておくのが前提になっている。

Parameter Labsの報告ページ
Parameter Labsの報告ページ / 出典:parameter.ai / 制作:AInformation

グラフ部品MathLiveが入口 YouTube経由でコードが動いた

穴は1つではなく、いくつかの弱点をつないだ攻撃だった。流れは次のとおりだ。

  • ChatGPTはグラフの表示にMathLiveという部品を使っている。この部品が持つ仮想キーボードは、隔離された枠の中から呼び出せた
  • 呼び出しを受ける側は、届いた中身をそのまま画面に差し込む作りだった。ほかの枠からの呼び出しを止める仕組みも無かった
  • これで隔離の外に、制限の無い新しい枠を差し込めた
  • OpenAIはスクリプトを読み込める先を数か所に絞っていた。その1つがYouTubeで、埋め込み用の窓口を使うとJavaScriptを実行させられた

ChatGPTの上でJavaScriptが動けば、あとは簡単だったという。APIから利用者の個人データを取り出し、画像の参照に見せかけて外へ送れた。

ChatGPTの共有URLで乗っ取られる流れ。共有URLを開く。ログインしたまま開く。部品の穴。隔離の外でコードが動く。データが外へ。本人に代わって操作される。ただし OpenAIは穴をふさぎ報奨金5,000ドルを払った。知らない共有URLは添付と同じ扱いに。AInformation編集部が作ったイラスト図解(仕組みの矢印図(入口→仕組み→結果))
報告の内容をもとに攻撃の流れを3段に整理した / データ:Simon Willison のブログ(Parameter Labsの報告) / 制作:AInformation

ログインしたまま開くと本人として動く 報奨金は5,000ドルだった

影響を受けるのは、ChatGPTにログインした状態で細工された共有URLを開いた人だ。攻撃者はその人の個人データを抜き取るか、本人に代わって操作できた。

OpenAIは穴をふさぎ、見つけた側に5,000ドルの報奨金を払った。10月30日の欧州中央銀行の参照値(1ドル157.25円)で直すと78万6,250円になる。Willison氏は「これほど深刻な脆弱性にしては少し安い」という見方を示している。

紹介記事には書かれていないことも多い。穴が開いていた期間と、実際に悪用されたかどうかは分からない。無料版と有料版で違いがあったかも示されていない。

ChatGPT 画面のHTMLプレビューとコードブロックの使い方を説明するOpenAI公式ヘルプのページ
ChatGPTのHTMLプレビューを説明するOpenAIのヘルプ 出典:help.openai.com(2026年11月1日時点の画面)

共有URLを社内で回す会社は 送り主を見てから開く

穴はふさがれているので、利用者が設定を変える必要があるとは書かれていない。ただ、共有URLを開くだけで本人として動かれる経路があったことは覚えておきたい。AIが画面の中で動く仕組みの穴は、AInformationでもこれまで追ってきた。

会社でChatGPTを使っていると、作った会話を共有URLでチャットに貼って回す場面が多い。知らない相手から届いた共有URLは、添付ファイルと同じ扱いにしておくのが安全だ。業務用のアカウントでログインしたまま開かない、という線を引くだけでも効く。

情報システム部門は、社員がChatGPTにどんなデータを入れているかを先に整理しておくとよい。抜かれたときに何が外へ出るかが分かれば、共有URLの扱いをどこまで厳しくするかも決めやすい。共有URLを開く前に送り主を確かめる。今日からできるのはその1手だ。

この記事に出てくることば
サンドボックス
外から来たコードを隔離した枠の中だけで動かす仕組み。ChatGPTではAIが作ったアプリがAPIや個人データに触れないよう、この枠で表示している
MathLive
ChatGPTがグラフの表示に使っているJavaScriptの部品。独自の仮想キーボードを持ち、今回はその呼び出しが攻撃の入口になった
藤井俊太(AI導入コンサルタント)の見方

共有URLは「見せるだけのもの」と思われがちで、社内のチャットに気軽に貼られている。今回の穴は、その思い込みの上で本人として動けた点が重い。導入を手伝っている会社でも、共有URLの扱いを決めている所はまだ少ない。情報システム部門は、外から届いた共有URLを添付ファイルと同じ線で扱うかどうかを先に決めておきたい。5,000ドルの報奨金が安いという声が出たことで、見つけた人がOpenAIに届け出る動機が弱まらないかも気になる。

よくある質問
ChatGPTの共有リンクは今も開いて大丈夫?
今回の穴はOpenAIがすでにふさいでいる。Parameter Labsが見つけたのは、ログインした人が細工された共有URLを開くと個人データを抜かれる穴で、紹介したSimon Willison氏も修正済みと書いている。ただし穴が開いていた期間や実際の悪用の有無は示されていない。知らない相手から届いた共有URLは、業務用のアカウントでログインしたまま開かないほうが安全だ。
ChatGPTの乗っ取りの穴はどこにあった?
グラフ表示に使うMathLiveという部品が入口だった。HTMLプレビューの隔離された枠から部品の仮想キーボードを呼び出せて、隔離の外に制限の無い枠を差し込めた。さらにスクリプトを読み込める数少ない先にYouTubeが入っており、その埋め込み用の窓口でJavaScriptを動かせた。そこからAPIで個人データを取り出し、画像の参照に見せかけて外へ送れたという。

この記事の出典

補助資料

  • [1]Simon WillisonSimon Willison・補助的な二次資料・確認 2026-11-01この記事の元にした報道

出典の最終確認日:2026年11月1日

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