AIスロップ(ai slop)は、AIで手早く量産され中身を確かめないまま出回る文や動画を指します。2026年10月28日に9つの場所の公式の決まりを読むと、AIで作ること自体を禁じていたのは英語版ウィキペディアだけでした。残る8つは量産と確かめない投稿を止めています。
- AIスロップ(ai slop)の意味と、日本で「aiスロップ」を調べる人の数(2026年9月は月3,600回)
- YouTube・Google検索・Spotifyなど9つの場所のうち、AIで作ること自体を禁じているのは英語版ウィキペディアだけ
- 残る8つが止めているのは量産・確かめない投稿・申告なし・短時間の大量投稿の4つ
- AInformationのAIツール507本のうち、AIが書いた文か調べる道具は11本で全部0円から試せる
- 2016年に人が書いた白書の文を、ClaudeはAIが書いた確率15%と答えた
- AIで動画や本を出す人が、きょうから変えておく4つのことと点検に使える指示文
AIスロップ(ai slop)は生成AIで手早く大量に作られ、中身を確かめないまま出回る文・画像・動画・曲を指す言い方です。英語版ウィキペディアは2026年3月に、AIで記事の本文を書くことを原則禁止にしました。音楽配信のDeezerは7月21日に、新しく届く曲の50%超がAI製になったと発表しています。日本語版ウィキペディアでも10月に決まりの改訂案が話し合われていて、中身と決まる日はまだ分かっていません。
では、AIで作った動画や記事を出すと消されたり収益が止まったりするのでしょうか。AInformationは2026年10月28日に、9つの場所の公式の決まりを読み比べました。対象はYouTube・Google検索・英語版ウィキペディア・日本語版ウィキペディア・Spotify・Deezer・TikTok・pixiv・Amazon KDPです。AIで作ること自体を止めていたのは、英語版ウィキペディアの1つだけです。残る8つはAI製を禁じておらず、止めているのは量産と確かめない投稿と申告なしでした。
AIスロップの意味は「確かめずに量産したAI製」で禁止は9つ中1つだけだ
AIスロップ(ai slop)の意味
AIスロップとは何かを、まず言葉から見ます。ai slopのslopは英語の俗な言葉です。10月28日にClaudeへ意味を聞くと「slopは英語で残飯・豚のえさの意味で、AIを使ったこと自体ではなく手間をかけずに量産された中身の薄さを指す」と答えました。日本の省庁や業界団体が決めた定義は、この日に探した範囲では見つかっていません。
つまりai slopの意味は「AIで作ったもの」ではありません。人が確かめず独自の中身も足さずに量産したAI製を指します。この線引きは、YouTubeやGoogleの公式の決まりに書かれた言葉ともそろっています。YouTubeは「大量生産されたような印象を与える AI 生成コンテンツ」を収益化の対象外にしました。Googleもスパムのポリシーで、利用者に価値を足さずに多くのページを作ることを違反の例に挙げています。
9つの場所の公式の決まりを読んだ結果
AInformationは10月28日に、9つの場所の公式ヘルプ・指針・発表を1つずつ開きました。見たのは、AIで作ること自体を禁じているかどうかです。禁じていたのは英語版ウィキペディアだけで、2026年3月の話し合いで本文の生成と書き直しを原則禁止にしています。残る8つはAI製を禁じず、次の4つのどれかを止めていました。
- 量産(YouTube・Google検索・Spotify)
- 人が確かめない投稿(日本語版ウィキペディア)
- AI製の申告なし(Amazon KDP・YouTubeのリアルな合成の動画)
- 短時間の大量投稿(pixiv)
DeezerはAI製の曲に印を付けておすすめから外し、TikTokはAIの表示を付けたうえで見る人が量を選べる設定を試しています。AIで作ったから消す、という決まりは8つの場所のどこにもありませんでした。
どれくらいの人が「aiスロップ」を調べているか
Googleのキーワードプランナーで10月28日に測ると、「aiスロップ」の月間検索数は2025年10月の590回から2026年9月の3,600回に増えていました。3か月の推移は+89%で、前年比は+1,025%です。英語の「ai slop」も同じ期間に1,600回から6,600回へ伸びています。
月ごとに見ると、2026年1月に4,400回の山がありました。その後も1,900〜3,600回の間で推移していて、一度の話題で消えた言葉ではありません。

「aiスロップ」と「ai slop」の月間検索数
| 検索語 | 2025年10月 | 2026年1月 | 2026年9月 | 3か月の推移・前年比 |
|---|---|---|---|---|
| aiスロップ | 590回 | 4,400回 | 3,600回 | +89%・+1,025% |
| ai slop | 1,600回 | 3,600回 | 6,600回 | +50%・+650% |
9つの場所の決まりを1枚の表に並べた
下の表は、9つの場所の公式の決まりを「AIで作ること自体」「止めていること」「決まりの名前と時期」の3つでそろえたものです。どれも10月28日に公式ページで文を確かめました。
9つの場所はAIで作ったものをどう扱うか
| 場所 | AIで作ること自体 | 止めていること | 決まりの名前と時期 |
|---|---|---|---|
| 英語版ウィキペディア | 原則禁止(校正と翻訳は可) | AIによる本文の生成と書き直し | LLMで記事を書く指針・2026年3月 |
| 日本語版ウィキペディア | 禁止していない | 確かめずに投稿すること | LLMの利用の指針・10月に改訂案 |
| YouTube(収益化) | 禁止していない | テンプレートで量産した印象の動画 | 量産型のコンテンツ・2025年7月15日 |
| Google検索 | 禁止していない | 価値を足さずに大量のページを作ること | 大量生成されたコンテンツの不正使用・2024年3月5日 |
| Spotify | 禁止していない | スパムの量産となりすまし | AI対策の強化・2025年9月25日 |
| Deezer | 禁止していない | AI製に印を付けおすすめから外す | 2026年6月から・7月21日に発表 |
| TikTok | 禁止していない | AIの表示を付け見る量を選べる設定を試す | 2025年11月19日に発表 |
| pixiv | 禁止していない(pixivリクエストは当面禁止) | 短時間の大量投稿 | AI生成作品の設定・2022年10月20日 |
| Amazon KDP | 禁止していない | AI生成の文・画像・翻訳の申告なし | KDPのヘルプ(AIコンテンツ) |
表を縦に見ると、「禁止」の字が入るのは英語版ウィキペディアの行だけです。pixivは本体への投稿を禁じていません。ただし依頼の仕組みのpixivリクエストだけは、2023年5月12日に「AI生成作品の取り扱いを当面のあいだ禁止」と発表しました。この禁止が10月の時点でも続いているかは、公式のお知らせで確かめられていません。
決まりができた順番
決まりは一度にできたわけではありません。早かったのはpixivで、2022年10月20日にAI生成作品の設定と検索での除外を入れました。Googleは2023年2月8日に「作り方ではなく内容で評価する」と示しています。そのうえで2024年3月5日に、大量生成の不正使用を新しい違反にしました。
その後はYouTubeが2025年7月15日に収益化の決まりの名前を変え、Spotifyが9月25日にAI対策を強めました。英語版ウィキペディアの原則禁止は2026年3月です。Deezerは6月からAI製の曲に印を付け始めています。

公式に書かれていない5つのこと
逆に、10月28日の時点で公式に確かめられなかったことも並べておきます。どれも決まれば、AIで作る人の動き方が変わる話です。
- 日本語版ウィキペディアの改訂案の中身と決まる日
- YouTubeが量産型と判断する本数や割合の基準
- Google検索で大量生成に当たるページ数の目安
- TikTokのAIの量を選ぶ設定が日本で使えるか
- pixivリクエストのAI生成作品の禁止がいまも続いているか
基準が出ていない以上、「何本までなら大丈夫」という線は誰にも言えません。本数ではなく、1本ずつの中身で見られる前提で準備しておくのが確実です。
英語版ウィキペディアは2026年3月にAIの本文を原則禁止した
9つの中で、AIで作ること自体を止めているのは英語版ウィキペディアだけです。指針の名前は「Writing articles with large language models」です。そこには「LLMで記事の本文を生成したり書き直したりすることは、下に書く使い方を除いて厳しく禁止する」とあります。この形になったのは2026年3月の話し合い(RfC)でした。
許されているのは校正と翻訳の2つ
例外は2つだけです。1つは自分で書いた文の誤字や文法をAIで直すことで、もう1つは他の言語版の記事を翻訳することです。続けてAIで本文を書くと、編集を止められることがあります。
一方で指針は、処分には「文体や言葉づかいの印を超える証拠が要る」とも書いています。AIっぽい文だから処分する、という運用はしないということです。この点は後の章で、Claudeに文を見分けさせた結果ともつながります。
話し合いなしで消せる3つの印
もう1つの決まりが即時削除の基準G15です。人の確認なしにAIが作ったとしか考えられない3つの印があるページは、話し合いを経ずに消せます。3つの印は利用者への語りかけ・存在しない出典・モデル特有の痕跡です。AIが利用者に向けて書いた前置きが残った記事や、実在しない本を出典に挙げた記事がこれに当たります。英語圏ではこの片付けが話題です。10月にはHacker Newsで「Wikipedia’s Cleanup of AI-Generated Content」が484点を集めました。

日本語版ウィキペディアは確かめない投稿を止める
日本語版ウィキペディアのガイドラインは、AIが作った文や出典を確かめずにそのまま投稿しないよう求めています。LLMなどで作ったと強く疑われる記事は、特段の事情が無い限り削除の対象になるとも書いています。ただし英語版のような原則禁止ではありません。このガイドラインは2026年10月に改訂案が話し合われていますが、中身と決まる日は確かめられていません。英語版に近い形になるのか、今の形が続くのかはまだ分からない段階です。
YouTubeは2025年7月15日から「量産型のコンテンツ」を収益化から外した
YouTubeはAIで作った動画を禁じていません。止めているのは収益化で、対象は「量産型のコンテンツ」です。2025年7月15日に、それまでの「繰り返しの多いコンテンツ」から名前を変えました。あわせて大量生産されたコンテンツも対象だと書き足しています。
収益化ポリシーのヘルプが当てはまる例に挙げるのは「汎用的または独創性のないテンプレートを使用して作成され、大量生産されたような印象を与える AI 生成コンテンツ」です。見られているのはAIを使ったかではありません。テンプレートで量産した印象があるかどうかです。

12月は1日100万超のチャンネルがAIの道具を使った
YouTubeのニール・モーハンCEOは2026年1月21日の年頭の手紙で、12月は平均で1日100万を超えるチャンネルがYouTubeのAI制作ツールを使ったと書きました。同じ手紙では低品質なAIコンテンツの広がりを抑えるため、スパムや釣りへの今の仕組みを広げるとしています。
YouTubeは本物と見分けにくい合成の動画について、作り手に申告も求めています。AIで作った人物や出来事をリアルに見せる動画は、出す前に申告が要ると覚えておいてください。
何本出したら量産と判断されるかの本数や割合は、公表されていません。AIで作った動画を何本か出したから止まる、という決まりではないことは公式の文から読めます。AIで動画を作る道具の無料の範囲は、AI動画生成のプロンプト10本を試した記事で確かめています。
Google検索は2024年3月5日に大量生成を違反にし低品質を45%減らした
Google検索も、AIで書いた記事を禁じてはいません。2023年2月8日の公式ブログで「作成方法ではなく、内容が評価の対象」と示しました。そのうえで、検索の順位を動かすことを主な目的にAIなどで自動生成するのはスパムのポリシー違反だとしています。
2024年3月に「大量生成されたコンテンツの不正使用」を新設
2024年3月5日に、Googleはスパムのポリシーを3つ足しました。期限切れのドメインの不正使用・大量生成されたコンテンツの不正使用・サイトの評判の不正使用の3つです。AIスロップに当たるのは2つ目です。
この更新は2024年4月19日に終わりました。Googleは検索結果の低品質で独自性のないコンテンツが45%減ったと発表しています。見込みは40%だったので、それを上回った形です。

2026年8月の版に書かれている例
スパムのポリシーは2026年8月28日に更新されています。大量生成の例には、生成AIなどの道具で利用者に価値を足さずに多くのページを作ることが並びます。裏を返すとAIで書いても利用者にとっての価値を足していれば、この例には当たりません。
何ページ作ったら大量と見なすかの目安は公表されていません。ページの数よりも、1ページずつに何を足したかが問われる書き方です。AIで下書きした記事に、自分で測った数字や試した結果を入れる意味はここにあります。
Deezerには1日9万曲のAI製が届きSpotifyは7,500万曲超を消した
音楽の配信も、AIで作った曲そのものは禁じていません。Spotifyは2025年9月25日にAI対策を強めると発表し、直近12か月で7,500万曲を超えるスパムの曲を消したと書きました。止めているのは量産となりすましで、AIで作った曲を出すこと自体ではありません。
Deezerでは新しく届く曲の50%超がAI製
音楽配信のDeezerは2026年7月21日に、AIで作られた曲が1日9万曲届いていると発表しました。新しく届く曲の50%を超える数です。一方で、再生全体に占めるAI製の曲の割合は1〜3%にとどまります。
Deezerは2025年の数字として、完全にAIで作られた曲の再生のうち最大85%が不正だったとも書いています。不正な再生でお金を得ようとする曲が多いということです。そこでDeezerは6月からAI製の曲に印を付け、おすすめと編集部のプレイリストから外しました。

Deezerのやり方はAI製を消すのではなく、印を付けて人の目に出る量を減らすものです。なお、Deezerが日本で提供されているかは公式で確かめられていません。AIで作った曲を仕事に使うときの権利の話は、Sunoが提訴された件の記事にまとめています。
TikTok・pixiv・Amazon KDPはAIの表示と申告と投稿量を見る
TikTokは13億本超にAIの表示
TikTokは2025年11月19日に、おすすめに出るAI生成コンテンツの量を選べる設定を試すと発表しました。これまでに13億本を超える動画にAIの表示を付けたとも書いています。AIで作った動画は禁じておらず、見る人が量を選べる形です。試す国は公表されていないので、日本で使えるかはまだ分かりません。
pixivは設定と大量投稿の対策
pixivは2022年10月20日にAI生成作品の設定・検索での除外・AI生成作品だけのランキングを入れると発表しました。2023年5月9日のお知らせには「同じ人が短時間に何回もAI生成作品を投稿すると、検索結果などで他の人が作品を見つけにくくなってしまうことがあります」とあります。そのうえで、大量投稿への対策を強めるとしています。pixivで気をつけるのは、AI生成作品の設定を正しく付けることと短い時間にまとめて出さないことの2つです。
Amazon KDPは3種類の申告が要る
Kindle本を出すAmazon KDPは、AIで作った文・画像・翻訳を出版のときに知らせるよう求めています。一方で自分の文をAIで直したりアイデア出しに使ったりした「AIアシスト」は、申告が要りません。AIで本文を書いた本は申告が要り、自分で書いてAIで整えただけの本は要らないという分け方です。1日に出せる冊数の上限は日本語のヘルプに書かれておらず、今の数は確かめられていません。

作るAIは文章だけで116本あり書いた文を調べるAIは11本しかない
AIで作る道具がどれだけ手に入りやすいかも数えました。AInformationのAIツールデータベース507本を、2026年10月28日の版で用途ごとに数えた結果です。作る側の道具は「文章を書く」116本・「動画を作る」90本・「画像を作る」79本・「音楽を作る」18本でした。
このうち0円から始められるのは文章52本・動画47本・画像38本・音楽14本です。507本全体でも、250本に無料の入口があります。量産の道具がこれだけ安く手に入ることと、Deezerに1日9万曲が届く状況は同じ時期に起きています。ただ、2つの因果を確かめたデータはありません。
作るAIと調べるAIの本数
| 用途 | 本数 | 0円から始められる | 月額の中央値 |
|---|---|---|---|
| 文章を書く | 116本 | 52本 | 2,381円 |
| 動画を作る | 90本 | 47本 | 2,285円 |
| 画像を作る | 79本 | 38本 | 1,892円 |
| 音楽を作る | 18本 | 14本 | 1,576円 |
| AIが書いた文か調べる | 11本 | 11本 | 1,575円 |
AIが書いた文か調べる道具は11本
反対に「AIが書いた文か調べる」用途の道具は11本しかありません。11本とも無料で始められ、有料プランの月額の中央値は1,575円です。中身はChatGPT・Grammarly・QuillBot・ユーザーローカルの生成AIチェッカー・Copyleaks・ZeroGPTです。続いてGPTZero・Uravation AIチェッカー・MyDetector・Decopy・Saplingが並びます。AI検出を専門にした道具に絞ると8本になります。
作る道具が用途ごとに数十本から100本を超えるのに対し、調べる道具は11本です。無料のAIチェッカーの選び方は無料のAIチェッカー早見表で並べています。ただし次の章で見るとおり、文体だけでAIかどうかを当てることには限りがあります。
2016年に人が書いた白書の文をClaudeは15%AIと答えた
文体だけでAIかどうかは見分けられるのでしょうか。AInformationは2026年10月28日に、2つの文をClaudeに見せて「AIが書いた確率」を0〜100%で答えさせました。根拠も2つずつ挙げるよう頼んでいます。
文Aは総務省の『平成28年版 情報通信白書』(2016年)の本文です。ChatGPTが公開される6年前に、人が書いた文です。文Bは同じ日にClaudeが書いたAIっぽい文で、「欠かせない存在」「多岐にわたります」「目が離せません」のような決まり文句を並べました。
結果は文Aが15%で文Bが80%
Claudeの答えは文Aが15%で、文Bが80%でした。人が書いた文は低く出て、AIっぽい文は高く出ています。文Aの根拠には「利活用」「技術水準」のような行政の言葉と、締めのまとめが無いことを挙げました。文Bについては、決まり文句が4つの文すべてに入っていることを挙げています。
目を引いたのは、Claudeが自分で書いた文Bにも100%とは言わなかったことです。Claudeは「Bのような文体は人間のWebライターもよく書くため、AI確定ではなくAIらしい特徴が強いという意味での80%」と書き足しました。どちらも短い文なので確実な判定はできない、とも答えています。

ChatGPTは答えが返らなかった
同じ質問をChatGPTにも送りましたが、10月28日の夜は2回とも答えが返らず記録できませんでした。2社の比べは次の機会に回します。
英語版ウィキペディアも、処分には文体や言葉づかいの印を超える証拠が要るという立場です。Claude自身が言うとおり、AIっぽい文は人も書きます。AIチェッカーの数字は疑う入口にはなっても、それだけで決め手にはなりません。
Claudeに4つの決まりを聞くと禁止かどうかは4つとも合っていた
もう1つ、Claudeに「YouTubeの収益化・Google検索・英語版ウィキペディア・Spotifyの4つは、AIで作ったものそのものを禁止しているか」を聞きました。答えは英語版ウィキペディアだけが「している(例外あり)」で、残る3つは「していない」です。禁止かどうかの判定は、4つとも公式の決まりと合っていました。
日付はYouTube(2025年7月15日)・Google(2024年3月5日)・Spotify(2025年9月25日)の3つが公式と同じです。英語版ウィキペディアは「2026年3月20日に賛成44票・反対2票で成立」と日まで答えました。この日と票の数は、AInformationが公式ページで確かめられていません。
Claudeの答えと公式の決まりを並べた
| 場所 | Claudeの答え | 公式の決まり | 合っているか |
|---|---|---|---|
| YouTube(収益化) | 禁止していない・2025年7月15日 | 量産型のコンテンツ・2025年7月15日 | ○(名前は「不自然なコンテンツ」と訳した) |
| Google検索 | 禁止していない・2024年3月5日 | 大量生成されたコンテンツの不正使用・2024年3月5日 | ○ |
| 英語版ウィキペディア | 禁止している(例外あり)・2026年3月20日 | 2026年3月の話し合いで原則禁止 | ○(日と票の数は公式で未確認) |
| Spotify | 禁止していない・2025年9月25日 | 2025年9月25日にAI対策を強化 | ○ |
決まりの名前は日本語の公式とずれた
違いが出たのはYouTubeの決まりの名前です。Claudeは「不自然なコンテンツ」と訳しましたが、日本語の公式ヘルプの名前は「量産型のコンテンツ」です。日本語で調べ直すときにClaudeの訳で探すと、公式のページに行き着きにくくなります。
また答えの下に並んだ出典の11本は報道やブログが中心でした。Claude自身も「開始日はプラットフォーム公式の発表内容を報じた記事をもとにしています」と断っています。AIに決まりを聞いた答えは入口として使い、最後は公式ヘルプの名前で探して元の文を読むのが確実です。
AIで副業する人がきょうから変える4つのこと
最後に、AIで動画・本・絵・記事を出している人がきょうから変えておくことをまとめます。AInformationの副業データベースに載っている90種の副業は、90種とも0円から始められます。始めやすいぶん同じ型で数を出す出し方に流れやすいので、次の4つを先に決めておくと安心です。
1. 1本ごとに自分の検証か解説を足す
YouTubeが外すのは「テンプレートで大量生産された印象」の動画で、Googleが違反にするのは利用者に価値を足さずに作ったページです。裏を返すと自分で試した結果・測った数字・自分の解説が1本ごとに入っていれば、この2つの例からは外れます。台本をAIに書かせる場合も、自分が確かめた中身を1つ以上入れてから出してください。
2. 出す前に人が読み直す
日本語版ウィキペディアは確かめない投稿を止めていて、英語版の即時削除は存在しない出典やAIの前置きの残りを印にしています。AIの文をそのまま貼ると、この2つを両方踏みます。出典と数字と固有名詞は、元のページを開いて1つずつ確かめてください。
3. AI製の申告を出し忘れない
Amazon KDPはAIで作った文・画像・翻訳の申告を求め、YouTubeはリアルな合成の動画に申告を求めています。pixivで付けるのはAI生成作品の設定です。KDPでは出版のときに知らせることが求められているので、申告しないこと自体が決まりに反します。
4. 短い時間にまとめて出さない
pixivは同じ人の短時間の大量投稿を、名指しで対策の対象にしています。何本までなら大丈夫という線はどの場所も公表していないので、作りためた分は日を分けて出すほうが安全です。

出す前に貼って使える点検の指示文
原稿や台本を出す前に、AIへ貼って使う指示文を2つ置きます。1つ目は量産と見られやすい所と、自分で足すべき一次情報を洗い出すものです。
次の原稿を読んで、YouTubeの「量産型のコンテンツ」やGoogleの「大量生成されたコンテンツの不正使用」に当たりそうな所を探してください。
①ほかの記事や動画と入れ替えても通じる、決まり文句だけの段落
②出典が書かれていない数字・固有名詞・引用
③私が自分で試した・測った・聞いた話が入っていない章
それぞれ原文を引いて挙げてください。最後に、この原稿に私が足すべき一次情報を3つ提案してください。〔ここに原稿か台本を貼る〕
2つ目は、英語版ウィキペディアが削除の印にしている「存在しない出典」を先に見つけるためのものです。
次の文章に出てくる数字・日付・固有名詞・出典を、表にして全部抜き出してください。列は「書かれている内容」「出典が本文にあるか」「元のページで確かめるべきか」の3つです。実在するか分からない本や記事が出典に挙がっていたら、その行に印を付けてください。
〔ここに文章を貼る〕
どちらの指示文も、AIの答えをそのまま信じるためのものではありません。印が付いた所は、自分で元のページを開いて確かめてから出してください。
9つの決まりを読んで感じたのは、どの場所もAIを使ったかより出す前に人が何を足したかを見ているということです。会社でAIの下書きを外に出すときも同じです。数字と出典を人が元のページで確かめる手順を1つ挟むだけで、量産とは見られにくくなります。逆に、AIチェッカーの数字だけで社員や外注先の文を疑うのはおすすめしません。Claude自身が、短い文では確実に判定できないと答えています。
- AIスロップとは何ですか?
- AIで手早く大量に作られ、人の確認も独自の中身も無いまま出回る文・画像・動画・曲を指す言い方です。AIで作ったもの全部を指すわけではありません。日本の省庁や業界団体が決めた定義は、2026年10月28日に探した範囲では見つかりませんでした。YouTubeは「量産型のコンテンツ」、Googleは「大量生成されたコンテンツの不正使用」という名前で同じものを止めています。
- AIで作った動画はYouTubeで収益化できなくなりますか?
- AIを使ったことだけでは外れません。YouTubeが収益化の対象外にしているのは、2025年7月15日に名前を変えた「量産型のコンテンツ」です。例として、テンプレートで作られ大量生産されたような印象を与えるAI生成コンテンツが挙がっています。何本で量産と見なすかの基準は公表されていないので、1本ごとに自分の解説や検証を足しておくのが確実です。
- AIで書いた記事はGoogle検索で不利になりますか?
- AIで書いたことだけでは不利になりません。Googleは2023年2月8日に作り方ではなく内容で評価すると示しました。違反になるのは利用者に価値を足さずに多くのページを作ることや、順位を動かす目的で自動生成することです。2024年3月5日に「大量生成されたコンテンツの不正使用」が新しい違反になり、低品質で独自性のないコンテンツは45%減ったと発表されています。
- AIが書いた文かどうかはAIチェッカーで見分けられますか?
- 疑う入口にはなりますが、決め手にはなりません。AInformationが2016年に人が書いた白書の文をClaudeに見せると、AIが書いた確率は15%と答えました。AIっぽい文には80%と答えたものの、短い文なので確実な判定はできないとも書き足しています。英語版ウィキペディアも、処分には文体の印を超える証拠が要るとしています。
