Jevは公開14日で有料チームの35.3% Vercel史上で最速だ
TypeSafe AIの判断特化モデル「Jev」は、VercelのAI Gatewayで公開から14日のうちに有料チームの35.3%に使われた。Vercelが10月15日に出した月次の報告書「AI Gateway Production Index」によると、集計を始めてからいちばん速い広がりだという。2位のClaude Sonnet 5.5は18.1%で、Jevはその約2倍になる。
AI GatewayはOpenRouterに近い仕組みで、複数の会社のAIを1つのAPIで呼べる。これまでの記録はGemini 3 Flashの22.2%で、Gemini 3 Pro Previewの19.4%とClaude Sonnet 4.6の19.0%が続く。
Jevは9月15日に限定公開され、AI Gatewayには9月17日に入った。月の半ばからの参加でも、9月の呼び出し回数は全モデルで1位だ。Vercel自身も有害なコマンドを見分ける仕事で、OpenAIのGPT-6 LunaからJevへ切り替えた。

- 9/15TypeSafe AIがJevを限定公開
- 9/17VercelのAI GatewayにJevが入る
- 10/15Vercelが月次の報告書を公開
- 10/16Perplexityの判断AIがAI Gatewayに加わる
支出に占めたのは0.27%だけ お金はOpus 5.5に集まった
広く使われた一方で、Jevが同じ14日間の支出に占めた割合は0.27%にとどまる。9月全体で見てもトークンの1%と支出の0.15%しかない。判断特化モデルは決めておいた選択肢から選ぶだけなので、普通のモデルより速く安く動くからだ。
お金が集まったのはClaude Opus 5.5だ。公開から14日で支出の11.03%を取り、9月に出たモデルの中で最も大きい割合だ。それでもAnthropic全体の支出の割合は8月の63.7%から9月は43.9%に下がり、初めて半分を割った。
2週目も使い続けたチームの割合では、Jevは55.6%で5位になる。1位のGPT-6 Lunaの64.8%には届かない。数字はVercelを通った分だけで、OpenAIやAnthropicのAPIを直に使う分は入らない。
Jevの単価は100万トークン約6.6円 OpenAIは2.4倍だ
AInformationが10月17日にAI Gatewayの料金ページを開くと、Jevは入力100万トークンあたり0.042ドルだった。出力の料金はかからない。欧州中央銀行の10月16日のレートの1ドル158.02円で約6.6円になる。
同じ一覧には判断特化モデルが7社の13本並んでいた。JevはMicrosoftのDecision-1と同じ値段だ。OpenAIのGPT-6 Luna Decisionsは0.10ドルとJevの約2.4倍で、入力の単価はJevのほうが安い。
| モデル(会社) | 入力100万トークンの単価 | 円にすると |
|---|---|---|
| Laya(Convai Innovations) | 0ドル | 0円。渡せるのは8,192トークンまで |
| Decider Flash V1.2(Perplexity) | 0.01ドル | 約1.6円 |
| Liquid d1(Liquid) | 0.02ドル | 約3.2円 |
| Jev(TypeSafe AI) | 0.042ドル | 約6.6円 |
| Decision-1(Microsoft) | 0.042ドル | 約6.6円 |
| GPT-6 Luna Decisions(OpenAI) | 0.10ドル | 約15.8円 |
表はVercel AI Gatewayの公式の掲載額で、どれも出力の料金はかからない。Jevが置き換えたGPT-6 Lunaは普通の言語モデルで、入力0.10ドルに加えて出力に0.50ドルかかる。有料のもので最も安いのはPerplexityのDecider Flash V1.2で、AI Gatewayでの公開日は10月16日と新しい。

試すなら提供元を指定する 無料クレジットは使えない
JevをAI Gatewayで呼ぶと、提供元はTypeSafe AIとDigitalOceanの2社になる。料金ページとAPIの一覧で見ると、入力を残さない取り決め(ZDR)があるのはTypeSafe AIの経路だけだ。学習に使わない点は2社とも同じになる。
社外秘の文書を振り分けるなら、提供元をTypeSafe AIに決めて呼ぶとよさそうだ。料金ページの「Free AI Gateway Credit」の欄は×で、無料のクレジットでは試せない。AInformationは鍵を持っていないため、今回は実際に呼び出すことはできなかった。
呼び出しはVercelのAI SDKにある「experimental_decide」という試験版の関数で書く。1回の依頼は合計64,000トークンまでだ。まずは問い合わせの振り分けのように答えの選択肢が決まっている仕事を1つ移し、今のモデルとの費用の差を測っておきたい。

- 判断特化モデル
- 決めておいた選択肢から1つを選ぶことに絞ったAI。文章を書かない分、普通のモデルより速く安く動き、大量のデータの分類に向く
問い合わせの振り分けや経費の科目分けを普通のモデルで回している会社には、乗り換えの候補になりそうだ。ただし判断特化モデルは選択肢を先に決めておかないと動かない。現場でいちばんつまずくのは、どの選択肢にも当てはまらない依頼をどこへ落とすかだとみている。もう1つは提供元の指定だ。同じJevでも経路によって入力の扱いが違うので、情報システム部門が先に提供元を1つに決めて配るほうが安全だろう。
- Jevはいくらで使える?
- VercelのAI Gatewayでは入力100万トークンあたり0.042ドルで、出力の料金はかからない。10月16日の欧州中央銀行のレートの1ドル158.02円で約6.6円になる。料金ページにはTypeSafe AIとDigitalOceanの2社が同じ値段で並ぶ。無料クレジットの欄は×なので、試すときから支払いが要る。
- JevとOpenAIのDecisionsはどちらが安い?
- 入力の単価はJevのほうが安い。10月17日のAI Gatewayの掲載額では、Jevが100万トークンあたり0.042ドルでGPT-6 Luna Decisionsは0.10ドルと約2.4倍だった。同じ一覧で最も安い有料のものはPerplexityのDecider Flash V1.2の0.01ドルだ。どれも出力の料金はかからない。
- Jevに送ったデータは残る?
- 提供元によって違う。Vercelの料金ページで入力を残さない取り決め(ZDR)があるのは、TypeSafe AIの経路だけだ。DigitalOceanの経路には無い。学習に使わない点は2社とも同じだ。社外秘の文書を扱うなら、提供元をTypeSafe AIに決めて呼ぶ必要がある。
- Jevは文章の要約や返信の下書きに使える?
- 使えない。Jevは決めておいた選択肢から選ぶことに絞ったモデルで、文章は書かない。Vercelはこの仕組みで有害なコマンドの見分けに使い、OpenAIのGPT-6 Lunaから切り替えた。要約や下書きはClaude Sonnet 5.5のような普通のモデルに任せ、振り分けだけをJevに回す分け方になる。
この記事の出典
補助資料
- [1]TechCrunchこの記事の元にした報道
出典の最終確認日:2026年10月17日
