Hy-Nomasは8Bの世界モデル 文章とカメラで60秒の世界を作る
中国のTencentは世界モデル「Hy-Nomas」をオープンモデルとして無償で公開しました。パラメーター数は80億で、720pの動画を最大60秒まで出力します。重みはHugging Faceに、コードと動かし方はGitHubに置かれています。
ふつうの動画生成AIとの違いは、指示を何回にも分けて出せる点です。カメラの動きやキャラクターの動作を1ターンずつ指示し、続きの世界を作らせます。公式サイトは一度通った場所へ戻っても物や背景の配置が保たれるとうたっています。
追加学習用のLoRAも2つ同梱です。1つは実際のロボットアームの映像で学ばせたもので、もう1つは映画風の画づくりに寄せたものです。
RTX 4090で動くのはINT8版 公式の手順はLinuxだけ
GIGAZINEは家庭向けのGeForce RTX 4090でも動かせると伝えています。AInformationが10月26日にGitHubの説明書を読むと、1枚で動かすには専用の省メモリ設定を使う決まりでした。重みとKVキャッシュをINT8に縮め、使わない部品はCPU側のメモリへ退避させます。
この退避には十分なメインメモリが要り、GPUとの行き来の分だけ遅くなると説明書は断っています。説明書に載っている1枚の手順は、指示を書いたファイルから動画を書き出す形です。ブラウザでWASDキーを押して歩き回るデモの動作例は、データセンター向けのB200を8枚使う構成でした。
動かす前提はLinuxとNVIDIAのGPUです。導入はDockerの専用イメージか手作業の2通りで、どちらもCUDA 13.0が要ります。MacとWindowsで動かす手順は、説明書のどこを探しても出てこなかった部分です。
Hugging Faceに置かれた重みは、AInformationが数えると全部で196.4GBありました。1枚で動かす構成で使うINT8版の本体は9.06GBです。

Apache 2.0で商用も可 日本の現場は試す機材で止まる
ライセンスはApache 2.0で、商用での利用や改変を認める形です。同梱のLICENSEには、Tencentが他の部品の元のライセンスを超える制限を足さないと書かれています。ただし組み込まれた他社の部品は、それぞれ元のライセンスのままです。
使いどころが見えやすいのはゲームや映像の企画です。舞台と主役を文章で決め、視点を切り替えながら60秒の下見映像を作れます。ロボット用のLoRAがあるので、ロボットの動きを映像で試す用途も公式は想定しています。
つまずくのは機材です。会社で配られるPCはWindowsかMacが中心なので、公式の手順どおりには動きません。手元のPCで大きなAIを動かす話では、ゲーミングPCなら動くのにMacは外れる例がこのところ続いています。
Hy-Nomasを動かす条件
| 項目 | 公式の説明書で分かったこと |
|---|---|
| 対応OS | Linuxだけ(MacとWindowsの手順なし) |
| GPU | NVIDIA(CUDA 13.0が必要) |
| 1枚で動かす構成 | RTX 4090+INT8版+CPUへ退避 |
| 歩き回るデモの動作例 | B200を8枚 |
| Hugging Faceの重み | 全部で196.4GB |
| 1枚構成の本体 | INT8版9.06GB |
Hy-Nomasのデモはメール登録で試せる 入力例は英語だけ
いちばん手軽なのはブラウザのデモです。AInformationが10月26日に開くと、メールアドレスと10文字以上のパスワードで登録する画面が出ました。有効化コードや承認待ちは要らないと書かれています。
登録すると舞台(Environment)と主役(Subject)を文章で書き、視点を選んで世界に入ります。視点は一人称・三人称・二人称(話し手の顔)・三人称の観察役の4つです。入力欄の例はすべて英語で、公式サイトの表示も英語と中国語だけでした。
編集部は登録の手前までを確かめました。日本語の指示で世界を作るところは、この記事の時点ではできなかった部分です。日本語の指示がどこまで通るかは、デモで短い舞台を1つ作れば分かります。技術報告書は公式サイトで「Coming Soon」のままなので、中身が出てから検証用のLinux機を手配しても遅くはありません。
- 世界モデル
- 入力に応じて仮想の世界を作り、カメラや物の動きを指示で動かせるAI。Hy-Nomasは動画として出力する
- INT8
- 重みを8ビットの整数に縮めてメモリを節約するやり方。Hy-NomasはこれでRTX 4090の1枚に収める
会社で試すときに最初に止まるのは、誰がLinuxとNVIDIAのGPUを積んだ機材を持っているかだとみている。事務用のWindowsやMacしか無い会社では、情報システム部門に検証機の貸し出し窓口が無いことが多い。ゲームや映像の企画で使いたい部署は、まずデモで英語の指示を試し、続けるならクラウドのGPUを借りるか外注に任せるかを先に決めておきたい。技術報告書が出るまでは、60秒の世界の品質を社外に約束しないほうがよさそうだ。
- Hy-Nomasは商用利用できる?
- Hy-NomasはApache 2.0で公開されていて、商用での利用や改変ができる形です。同梱のLICENSEには、Tencentが他の部品の元のライセンスを超える制限を足さないと書かれています。ただし組み込まれた他社の部品はそれぞれ元のライセンスのままなので、製品に入れる前に部品ごとの条件を確かめておくと安心です。
- Hy-NomasはMacやWindowsで動く?
- 公式の手順はLinuxとNVIDIAのGPUが前提で、MacとWindowsで動かす手順はありません。導入はDockerの専用イメージか手作業の2通りで、どちらもCUDA 13.0が要ります。1枚で動かす構成はGeForce RTX 4090を想定し、INT8版の重みとCPUへの退避で使うメモリを減らします。
- Hy-Nomasは無料で試せる?
- 重みはHugging Faceから無料で落とせて、ブラウザのデモも登録すれば開けます。デモの登録はメールアドレスと10文字以上のパスワードで済み、有効化コードは要らないと案内されています。ただし重みのファイルは全部で196.4GBあり、デモの入力欄の例は英語だけです。
この記事の出典
補助資料
- [1]GIGAZINEこの記事の元にした報道
出典の最終確認日:2026年10月26日
