zgは3つの検索を1つにまとめた AIエージェントも同じ索引を使う
zgは、ripgrep・BM25・ベクトル検索をまとめて手元で動かす検索ツールだ。土台はAlibaba製のベクトルデータベースのzvecで、正式な名前はzvec-grepという。一度索引を作れば、ターミナルからもAIエージェントからも同じワークスペースを探せる。
言葉が一致するかだけでなく、意味の近さで探して関連の強い順に並べる。ソースコード・文書・構造化データに対応していて、結果には元のファイルと位置が付く。必要なら正確な文字列や正規表現で確かめ直せる。
GIGAZINEが紹介したベンチマークでは、pylint・matplotlib・djangoの3つで入力トークン数とツールの呼び出し回数とかかった時間がどれも減った。回答の質はpylintではっきり上がり、ほかの2つでも少し上がっている。

Claude Codeから呼べる ファイルは手元に残る
手元で入れたzg 0.2.2では、zg install の1行でClaude Code・Codex・Cursor・OpenCode・Qwen Code・Qoderに組み込める。MCPサーバーとして登録され、Claude CodeとCodexには検索ツールの事前許可も入る。動かすにはNode.js 22以降が要り、npmで入れる。
zgはローカルファーストの作りで、ファイルと索引とモデルは基本的に利用者のPCに置かれる。外の埋め込みモデルへデータを送るのは、利用者が許可したときだけだ。ヘルプに並ぶモデルのうち手元で動くものは11種類あり、外で動くQwenの3種類はAPIキーと –allow-remote の指定が要る。
社内の資料を外へ出せない会社でも、AIエージェントに資料を探させる形を作りやすい。困るのは、日本語の資料が中心のチームがモデルを選ばずに使い始めたときだ。

日本語の社内文書8本で試した 英語モデルは8問中3問だった
GIGAZINEの紹介と同じ英語向けモデルでは、日本語の質問8問のうち1位で当たったのは3問だった。多言語モデルのpotion-multilingual-128mに替えると、8問とも1位で当たった。AInformationは経費精算・有給休暇・出張など架空の社内規程8本を作り、本文と違う言い回しで質問した。
| AInformation独自検証 | potion-retrieval-32m(英語向け) | potion-multilingual-128m(多言語) |
|---|---|---|
| 通常の検索で1位が正解 | 8問中3問 | 8問中8問 |
| 意味だけ(–vector)で1位が正解 | 8問中2問 | 8問中7問 |
| 初回に落とすモデルの大きさ | 125MiB | 506MiB |
| 1問あたりの平均時間 | 0.40秒 | 1.24秒 |
2026年10月25日・zg 0.2.2・Apple M4 ProのMac・Node.js 22・1問1回・上位1件で判定。時間はコマンドを毎回起動する直結の形(direct)で測った。言葉の一致だけ(–fts)で探すと、モデルに関係なく8問中3問だった。
英語向けモデルは関係の無い文書を1位に出した。「タクシー代を会社に払い戻してもらうには」と聞くと、1位はパスワードの管理だった。「地方へ泊まりで行くときのホテル代の上限」も、出張ではなく経費精算の文書と取り違えた。
「入社してすぐに受ける講習の中身」では、新入社員研修の文書が上位3件にも出てこなかった。その代わり多言語モデルは重い。初回に落とすモデルは506MiBで英語向けの125MiBより大きく、1問の平均も1.24秒かかった。
日本語なら索引の前にモデルを選ぶ 後から替えると作り直しだ
日本語の資料を探すなら、最初に索引を作るときにモデルを指定しておきたい。ヘルプには、作った索引は保存したときのモデルを使い続けると書かれている。あとから替えるなら索引を作り直すことになる。
- 索引を作るときに zg index –embedding local/potion-multilingual-128m と指定する
- zg status を開き、Embedding の欄でいまの索引のモデルを確かめる
- 新しい索引の既定は zg config model set にモデル名と –default を付けて決める
- 社内でよく出る質問を5問ほど用意し、1位に正しい文書が出るか数える
英語のコードやドキュメントが中心なら、紹介どおりの軽いモデルで足りる。日本語の規程や議事録をAIエージェントに探させるチームは、配る前にこの1行を決めておくと外れが減る。
- ローカルファースト
- ファイルと索引と検索用のモデルを自分のPCに置いて動かす作り。外の埋め込みモデルへ送るのは利用者が許可したときだけ
社内の資料をAIエージェントに探させる相談では、最初に「ファイルを外へ出したくない」という声が出る。zgは索引もモデルも手元に置けるので、その壁は越えやすい。ただ日本語の規程が中心の会社で英語向けのモデルのまま配ると、8問中3問しか当たらない状態から始まる。現場が最初の数回で「使えない」と決めると、あとで設定を直しても戻ってこない。情報システム部門が先にモデルを1つ決めて、手順書に書いてから配るのがよさそうだ。
- zgは日本語の資料を探せる?
- モデルを選べば探せる。AInformationが10月25日に日本語の社内文書8本で試すと、多言語向けのpotion-multilingual-128mは8問とも1位で当てた。GIGAZINEの紹介と同じ英語向けのpotion-retrieval-32mでは3問だけだった。モデルは索引を作るときに –embedding で指定する。
- zgで探すとファイルは外へ送られる?
- 基本的には送られない。ファイルと索引とローカルのモデルは利用者のPCに置かれ、外の埋め込みモデルへ送るのは許可したときだけだ。手元で入れたzg 0.2.2のヘルプでも、Qwenの3つのリモートモデルはAPIキーと –allow-remote の指定が要ると書かれていた。
- zgはClaude Codeで使える?
- 使える。手元で入れたzg 0.2.2のヘルプでは、zg install の連携先にClaude Code・Codex・Cursor・OpenCode・Qwen Code・Qoderが並んでいた。MCPサーバーとして登録され、Claude CodeとCodexには検索ツールの事前許可も入る。入れたあとはエージェントを再起動するか新しいセッションを開く。
この記事の出典
補助資料
- [1]GIGAZINEこの記事の元にした報道
出典の最終確認日:2026年10月25日
