Sarashinaの6モデルが0円に ログインはGoogleだけ
ソフトバンク傘下のSB Intuitionsは10月13日、国産AI「Sarashina」を無料で試せるSarashinaサービスの無償ベータ版を始めました。APIで6つのモデルを選べるほか、公式サイトのチャットで対話と日英の翻訳を試せます。事前の申し込みは要りません。
編集部がチャットの入口を開くと、ログインの方法は「Google で続ける」のボタン1つだけでした。ログインしないまま中の画面へ進むことはできなかったので、Googleアカウントを持たない人はここで止まります。
APIで使える6つのモデルは次のとおりです。長さと上限は公式のAPIドキュメントの値です。
| モデル | 向いている仕事 | 読める長さ | 1分の上限 |
|---|---|---|---|
| Sarashina3 mini | 会話・文書づくりの標準モデル | 128kトークン | 6回 |
| Sarashina3 nano | 抽出・要約・分類の大量処理 | 128kトークン | 60回 |
| Sarashina3 guard | 入力の安全性の判定 | 64kトークン | 6回 |
| Sarashina3 embedding | RAG向けの検索用ベクトル化 | 8,000トークン | 60回 |
| Sarashina3 rerank | 検索結果の並べ替え | 8,000トークン | 60回 |
| Sarashina3 translate | 日英・英日の翻訳 | 5,000文字 | 6回 |
公式スペック:Sarashina APIドキュメントの「モデル一覧」と「レート制限」(10月13日に確認)
公式の「40対80トークン」を数え直した
公式サイトは、同じ日本語の例文がSarashina3では40トークンで米国モデルAでは80トークンになると見せています。編集部がこの98文字の例文をOpenAIの公開トークナイザー「o200k_base」で数えると79トークンで、米国モデルAの80とほぼ同じでした。Sarashina3側の40は、トークナイザーが公開されていないので確かめることができなかった数字です。
Hugging FaceでSB Intuitionsのモデルを探しても、並んでいるのはSarashina2.2までです。Sarashina3は出てこなかったので、手元のPCでは動かせません。使うにはこのAPIか、6月30日に始まったソフトバンクのクラウド「Cloud PF Type A」を通します。

- 6/30Sarashina3をソフトバンクのクラウドで提供開始
- 10/13Sarashinaサービスの無償ベータ版を公開
使えるのは日本の個人と法人だけ miniは1分6回で止まる
利用規約の第3条は、使える人を日本国内に住む個人と日本国内に本店がある法人に限っています。免責の項にはGDPRに準拠していないとも書かれ、EUから使う前提はありません。
無料の範囲で効いてくるのはレート制限です。標準のminiと翻訳のtranslateは1分に6回までで、超えると次の1分まで受け付けません。制限は契約者とモデルの組み合わせごとに数えるので、1つの契約を部署の何人かで使うと6回を分け合うことになります。
上限を超えると「429 Too Many Requests」が返り、待つ秒数を示すRetry-Afterも付きません。組み込む側で間隔を空けて送り直す作りが要ります。

無料版の入力は学習に回せる規約 断れるのは有償プランだけだ
規約の第11条は有償か無償かを問わず、入力と出力をモデルの学習と新しいサービスの開発に使えると定めています。学習を断るオプトアウトができるのは有償プランだけです。いまの公式サイトに有償プランの料金は載っていないので、いま試す人は全員が断れない側にいます。
一度学習に使ったデータは、あとからオプトアウトしても消さないとも書かれています。個人を特定できる情報と他人の著作物は、そもそも入力が禁止です。答えを医療や法律や金融の助言として使うことも禁じられています。
ChatGPTは無料版でも学習させない設定があり、データコントロールから切れます。Claudeも学習を許すか断るかを選べるので、学習を自分で止められる点はChatGPTとClaudeのほうが上です。無料版で損害が出てもSB Intuitionsは責任を一切負わないと、第24条に書かれています。

試すなら公開済みの資料で 大量の処理は1分60回のnanoへ
SB Intuitionsは、企業のAI活用が「実証実験(PoC)から自社のシステムやサービスへの組み込みへと広がって」いると説明しています。日本語の出来を0円で比べられるのは、国産モデルを検討している会社には手間の少ない機会です。ただし入れてよいのは、外に出ても困らない文章だけです。
- 入れるのは公開済みの資料か、自分で作った例文だけにする
- 対話の試しはmini(1分6回)、件数の多い要約や分類はnano(1分60回)に分ける
- 翻訳は1回5,000文字まで。長い契約書は区切って渡す
- 答えを医療・法律・金融の判断に使わないと社内で共有しておく
無償ベータ版をいつ終えるかは決まっていません。有償プランの料金と学習を断る手順が出るまで、本番の業務に組み込む判断は持ち越しになりそうです。

- レート制限
- 一定の時間に送れるリクエストの回数の上限。Sarashinaは60秒ごとに数え、超えると次の1分まで受け付けない
国産で国内のデータセンターと聞くと、社内の資料を入れても安全だと受け取る担当者が出そうです。実際には無料版の規約で入力が学習に回り、あとから消す約束もありません。国産かどうかと学習に使われるかどうかは別の話です。情報システム部門は試す前に、入れてよいのは公開済みの文章だけと紙1枚で示しておくと混乱が防げます。逆に、日本語の要約や翻訳の当たりを費用0円で付けたい開発担当には使い道がありそうです。
- Sarashinaの無料版に社内の資料を入れても大丈夫?
- 社外に出せない資料は入れないほうが安全です。利用規約の第11条は有償か無償かを問わず、入力と出力を学習と新サービスの開発に使えると定めています。学習を断れるのは有償プランだけで、いまの公式サイトに有償プランの料金は載っていません。個人を特定できる情報の入力は第10条で禁じられています。
- Sarashinaの無料版はどこまで使える?
- APIで6つのモデルを選べて、公式サイトのチャットで対話と日英の翻訳も試せます。上限は1分あたりの回数で決まります。標準のminiと翻訳のtranslateは6回で、軽いnanoや検索用のembeddingは60回です。翻訳は1回5,000文字まで送れます。無償ベータ版の終了時期は決まっていません。
- Sarashinaは商用利用できる?
- 出力の権利は利用者に残ると規約の第9条にあります。ただし自社のサービスに組み込んで客や他社に使わせるには、SB Intuitionsの事前の同意が要ります(第16条)。無料版で損害が出ても同社は責任を一切負いません(第24条)。使えるのは日本国内に住む個人と、日本国内に本店がある法人だけです。
この記事の出典
補助資料
- [1]ITmedia AI+この記事の元にした報道
出典の最終確認日:2026年10月13日
