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Anthropic、30日分の記録を顧客のクラウドへ 申し込んでも保証はない

読了 約5分
スマートフォン2台にApp StoreのClaude by Anthropicのアプリ紹介ページが表示された画面。Anthropic、30日分の記録を顧客のクラウドへ 申し込んでも保証はない
この記事の要点

Anthropicは企業向けの安全策「EFS」を発表した。Fable 5から始めた30日間のデータ保存を、顧客が管理するクラウドに置く。今秋から段階的に提供し、データを残せない金融や医療の会社でも最新モデルを使いやすくする。

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30日Fable 5からのデータ保存
100社超設計に加わった顧客

EFSは記録を顧客のクラウドに置く 今秋から段階的に提供

EFSは、データを残さない契約(ZDR)の秘密の守りやすさと、悪用を見つける仕組みを両立させる仕組みだ。会話などのデータを、Anthropicではなく顧客が管理するクラウドの基盤に保存する。提供は今秋の後半から段階的に始まる。

設計には金融・医療・製造・通信・法律・小売・公共の100社超が加わった。米大手銀行の情報セキュリティ責任者が集まるARCや、Mastercard・Salesforce・Visaなども意見を出している。協議した相手はFortune 100の4分の1に及ぶという。

提供元 EFSに対応する先
Anthropic Claude Code・Claude Enterprise・Claude Platform
AWS Amazon Bedrock・Claude Platform on AWS
Google Agent Platform
Microsoft Microsoft Foundry
Anthropic EFSの発表ページ
Anthropic EFSの発表ページ / 出典:claude.com / 制作:AInformation

Fable 5の30日保存が発端 規制業種は使いにくかった

きっかけは、Fable 5から始まった30日間のデータ保存だ。Anthropicは、手の込んだ悪用は複数の会話やアカウントにまたがるため、1回ずつ調べてすぐ消すだけでは見つけられないと説明している。認証情報を盗まれた企業アカウントの不正も、通信の流れを見ないと気づきにくい。

同社は、30日保存は企業のデータで学習するためではないとも書いている。明確な許可なしに企業のデータで学習したことはなく、今後もしないという。それでも規制の厳しい業界では、データが残るモデルは社内の審査を通しにくかった。

EFSが整うまでの間、条件を満たす顧客にはFable 5とFable 5.1でZDRを使わせる。いまZDRで契約している会社は、乗り換えの準備期間を持てることになる。

Anthropic Enterprise Frontier Safeguardsの申請フォームのページの画面。今秋に広く提供する予定とフォームを出しても使えるとは限らない旨が書かれている
EFSの申請フォームのページ。出しても使える保証はないと書かれている 出典:claude.com(2026年10月24日時点の画面)

申し込みはフォームから 出しても使える保証はない

編集部が申請フォームのページを開くと、EFSは今秋に広く使える状態を目指していると書かれていた。フォームは対象になるかを確かめるためのもので、出しても使えるとは限らないと明記している。詳しくは営業の担当者に聞くよう案内している。

料金と日本での提供時期は、発表にもフォームのページにも書かれていない。どの会社が「条件を満たす顧客」に当たるのかも、基準が示されていない。

Claudeの記録の置き場所が変わる。Fable 5から。記録はAnthropic側に30日残る。EFSから。記録は自社のクラウドに置く。提供は今秋から段階的に。AInformation編集部が作ったイラスト図解(前と後の場面)
Claudeの記録の置き場所が変わる / 制作:AInformation

情シスが先に決めること 記録を置くクラウドの選び方

日本でClaude EnterpriseやAmazon Bedrock経由でClaudeを使っている会社は、記録がどこに残るかを社内規程と照らしておきたい。EFSでは記録が自社のクラウドに残るので、保存先の地域・閲覧できる人・消す時期を自社で決めることになる。

すでにClaude Codeを開発部門で広げている会社は、監査部門と一緒に保存期間の線を引いておくと移行が早く進みそうだ。対象かどうかは営業の担当者に早めに聞いておくとよい。

この記事に出てくることば
ZDR
zero data retentionの略。AIに送った会話などのデータを提供元に残さない契約の形で、秘密を守りやすい
藤井俊太(AI導入コンサルタント)の見方

導入の相談で多いのは、モデルの性能より「記録がどこに残るか」で稟議が止まる場面だ。EFSは記録を自社側に置けるので、金融や医療の会社には前に進む材料になりそうだ。一方で、記録を持つ責任も自社に移る。保存先の地域や閲覧権限を決めずに申し込むと、今度は監査部門で止まる可能性がある。料金と日本の対象条件が出るまでは、ZDRの今の契約がいつまで続くかを営業に確かめておくのが現実的だとみている。

よくある質問
EFSは日本の会社でも使える?
日本で使えるかどうかは発表に書かれていない。EFSは条件を満たす顧客へ今秋から段階的に提供すると説明しているだけで、国や地域の条件は示されていない。申請フォームは対象かどうかを確かめるためのもので、出しても使えるとは限らないと明記している。日本の会社は営業の担当者に直接聞くのが早い。
EFSの料金はいくら?
料金は発表にもフォームのページにも書かれていない。対応先はClaude Code・Claude Enterprise・Claude Platform・Amazon Bedrock・Claude Platform on AWS・GoogleのAgent Platform・Microsoft Foundryの7つで、どれも企業向けの契約が前提だ。追加の費用がかかるかは、営業の担当者への確認が要る。
30日保存されたデータはClaudeの学習に使われる?
Anthropicは企業のデータで学習しないと説明している。Fable 5から始めた30日保存は、複数の会話やアカウントにまたがる悪用を見つけるためのものだという。明確な許可なしに企業のデータで学習したことはなく、今後もしないと発表に書いている。
EFSが始まるまでZDRはどうなる?
条件を満たす顧客は、EFSが整うまでFable 5とFable 5.1でZDRを使える。ZDRはデータを提供元に残さない契約の形だ。今ZDRで契約している会社は、その間に記録を置くクラウドと保存期間を決めておける。

この記事の出典

補助資料

  • [1]AnthropicAnthropic・補助的な二次資料・確認 2026-10-24この記事の元にした報道

出典の最終確認日:2026年10月24日

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