本文へ移動
NEWS
Claude

Anthropic、サイバー制限を3段階に 申請なしは50回とも止まる

読了 約7分
スマートフォンの画面に表示されたClaude by AnthropicのApp Storeインストール画面。Anthropic、サイバー制限を3段階に 申請なしは50回とも止まる
この記事の要点

Anthropicは、セキュリティ担当者向けにClaudeのサイバー制限を緩める枠を3段階に分けた。申請なしの一般版は評価の50回すべてが最初の指示で止まり、Red Team Accessでは1回も止まらなかった。個人が選べるのはDefenseだけで、データ保持も必須になる。

みんなの意見

Claudeのサイバー制限の段階化を評価しますか?

まだ回答がありません。最初の1票をどうぞ

SHARE
3段階新しいアクセスの枠
46回Defenseで止まった回数
34回Red Teamで解いた回数

サイバー検証プログラムが3段階に Opus 5.5も対象だ

Anthropicは、セキュリティの仕事をする人向けの「Cyber Verification Program」を3段階に作り直した。日本語のヘルプでは「サイバー検証プログラム」と呼んでいる。審査を通った組織は、普段なら止められるサイバー作業をClaudeで進められる。

対象のモデルはClaude Opus 5.5・Claude Sonnet 5.5・Claude Mythos 5.1で、今後出るモデルも入る。一般向けのClaude Opus 5.5やClaude Fable 5.1は、サイバー作業の大半を止める慎重な設定だ。攻撃する側に悪用されるのを防ぐためで、守る側まで止まる問題が残っていた。

これまでは2つの枠があった。重要なソフトを守る組織にMythosを使わせた「Project Glasswing」と、審査済みのチームの制限を緩めた従来のCVPだ。今回この2つを1つにまとめた。

段階 使える作業 申し込める相手
Defense Access SOCと事故対応・マルウェアの解析・脆弱性の確認 自社を守る企業や大学・地域の病院・OSSの保守者・実績のある個人
Red Team Access 上に加えて許可を得た侵入テスト 社内のレッドチーム・侵入テスト会社(個人は不可)
Specialized Access 止まる場面がいちばん少ない 航空・電力網・通信・銀行間送金などを試す組織
Anthropicのサイバー検証プログラムの発表
Anthropicのサイバー検証プログラムの発表 / 出典:support.claude.com / 制作:AInformation

申請なしは50回とも止まる Red Teamは34回解いた

Anthropicは段階ごとの止まり方を、多段のサイバー作戦を計画して実行できるかを測る評価「CyScenarioBench」で確かめた。10の課題を5回ずつ、計50回をClaude Opus 5.5に解かせている。

  • 申請なしの一般版は、50回すべてが最初の指示で止まった
  • Defense Accessは50回中46回がどこかで止まり、4回は最後まで進んだ
  • Red Team Accessは1回も止まらず、34回を解き切った

34回は、制限を何もかけないときの成功率67.6%とほぼ同じだ。Red Teamに入れば、素のOpus 5.5に近い力が出ることになる。ただしランサムウェアの展開や物理的な設備を壊す操作は、Red Teamでもその場で止まる。

CyScenarioBenchで止まった回数

申請なしの一般版 50回中50回
Defense Access 50回中46回
Red Team Access 0回(34回を解いた)
Claude Opus 5.5で10課題を5回ずつ解いた計50回 / データ:Anthropic 公式発表 / 制作:AInformation

個人はDefenseだけ データ保持も必須になる

申し込みは組織ごとに1回で、社員が別々に出す形ではない。管理者が席を割り当てる。個人の研究者やバグバウンティの参加者も申し込めるが、選べるのはDefense Accessだけだ。

見落としやすいのはデータの扱いだ。参加する組織はデータ保持が必須で、Anthropicが悪用を見張る。データを残さない契約を前提にしている会社は、この秋に出る予定の「Enterprise Frontier Safeguards」を待つことになる。自社が管理するクラウドにデータを置く仕組みだ。

使える経路にも差がある。Claude.ai・Claude Code・Anthropic APIは検証ポータルから申し込める。一方でAmazon Bedrockは、Enterprise Frontier Safeguardsを入れた客だけが対象だ。APIで使う場合は承認のあとに専用のワークスペースを作って割り当てる。既定のワークスペースには割り当てられない枠もある。

発表とヘルプを読んだ限り、国や地域で申し込みを絞る条件は書かれていない。日本の会社が通るかどうかは、申請して確かめるしかない。審査は、Defense Accessなら数日での返事を目指す。Red Team Accessは数週間かかる見込みで、その間はDefense Accessに入れられる。

Claude ヘルプセンター サイバー検証プログラム 日本語ページの画面。申請は組織ごとに1回で、7営業日以内にメールで返事が来ると書かれている
Claudeの日本語ヘルプにあるサイバー検証プログラムの申請方法 出典:support.claude.com(2026年10月24日時点の画面)

一般版でできる作業は5つ 止まったら申請を出す

申請しなくても、一般版のClaudeでできる作業は5つある。コードレビュー・脅威モデリング・既知の問題の修正・自社ソースの脆弱性探し・アラートの仕分けだ。止まりやすいのは、マルウェアの解析やエクスプロイトの検証になる。

  • 社内でClaudeに止められた作業を書き出す
  • それが守る仕事か侵入テストかを分ける
  • データ保持を受け入れられるかを法務と決める

Glasswingの参加組織は、4月から7月に少なくとも12万9000件の脆弱性を見つけた。守る側でAIを使う会社は、止められた記録を残しておくと申請の説明にそのまま使える。

この記事に出てくることば
Project Glasswing
重要なソフトを守る一部の組織に、Claude Mythosを使わせてきたAnthropicの枠組み。今回サイバー検証プログラムに統合された
CyScenarioBench
AIが現実に近い条件で多段のサイバー作戦を計画し実行できるかを測る評価。Anthropicが段階ごとの止まり方を確かめるのに使った
藤井俊太(AI導入コンサルタント)の見方

導入の現場で困るのは、Claude Codeを全社に配ったあとセキュリティ担当の作業だけ止まる場面だ。今回の枠はその受け皿になるが、データ保持が必須という条件は重い。データを残さない契約を前提に選んだ会社ほど、法務と情報システム部門が「どの部署の通信なら残してよいか」を先に決めないと申請で止まりそうだ。外部の侵入テスト会社に頼む会社は、その会社がRed Teamに入っているかを発注前に聞く項目が1つ増えるとみている。

よくある質問
Claudeのサイバー検証プログラムは個人でも申し込める?
個人でも申し込めるが、選べるのはDefense Accessだけだ。対象は脆弱性の報告実績がある研究者やOSSの保守者、バグバウンティの参加者になる。侵入テストを含むRed Team Accessは今のところ組織だけが対象で、個人は入れない。Specialized Accessは航空や電力網などを試す組織に限られる。
申請しないとClaudeでどんなセキュリティ作業が止まる?
マルウェアの解析やエクスプロイトの検証は、安全のための分類器で止まることがある。Anthropicの評価では、一般版のClaude Opus 5.5は50回すべてが最初の指示で止まった。コードレビューや既知の問題の修正、自社ソースの脆弱性探しは申請なしで使える。
サイバー検証プログラムの審査はどれくらいかかる?
Defense Accessは数日での返事を目指している。日本語のヘルプには7営業日以内にメールで知らせるとある。Red Team Accessは条件が多く数週間かかる見込みで、その間はDefense Accessに入れられる。申請は組織ごとに1回で、出した情報からいちばん高い段階に振り分けられる。
データを残さない契約のままでも使える?
今は参加する組織にデータ保持が求められる。例外はClaude Fable 5.1かClaude Mythos 5.1をデータを残さない契約で使っている組織で、その条件のまま参加できる。この秋に出る予定のEnterprise Frontier Safeguardsが来れば、自社が管理するクラウドにデータを置ける。

この記事の出典

補助資料

  • [1]AnthropicAnthropic・補助的な二次資料・確認 2026-10-24この記事の元にした報道

出典の最終確認日:2026年10月24日

次に読む記事

SHARE

広告を載せており、そこから申し込みがあると紹介料を受け取ることがあります。

よく読まれている定番ガイド60本
この記事に出てくるAIも、まとめて比べられます 507本のAIツールを、やりたいこと・料金・日本語対応で絞り込めるデータベースです。5日ごとに料金を取り直しています。 AIツールを探す

あわせて読みたいRELATED