KDDIアイレット、AI事例113件を無料公開 非エンジニアが50件
KDDIグループのKDDIアイレットは、社内のAI活用事例113件をまとめた特設サイトを無料で公開した。エンジニア職の事例が63件、営業や人事などエンジニア職以外が50件だ。事例は7月までに社内で募ったもので、集計期間は2026年1月〜7月になる。
各事例には概要を示す1枚のスライドと詳細、コツ、削減時間が載る。使ったツールや分野で絞り込む機能もある。事例の収集と資料づくりにもGeminiを使ったという。
編集部が10月29日に特設サイトを開くと、ログインなしで113件すべてを読めた。ページに入っている事例のデータを数えると、70件に「実際に使用したプロンプト」が付いていた。

113件を数えるとGeminiが65件 ChatGPTは9件だけだ
事例に付いたツール名を編集部が数えると、いちばん多いのはGeminiの65件だった。Claudeが28件、Gemini Notebook(旧NotebookLM)が18件で続く。ChatGPTは9件で、そのうち8件はGeminiなど別のAIと組み合わせていた。件数ではClaudeがChatGPTを上回り、Geminiは2つを足した数よりも多い。
エンジニア職以外の50件に絞ると差はもっと広がる。Geminiが37件、Gemini Notebookが13件で、ChatGPTは5件、Claudeは4件だった。MicrosoftのCopilotは全体でも3件にとどまる。
サイトの見出しには主要なAIツール9種類と出るが、一覧のタグはCursorやKiroを含めて16種類あった。1つの事例で2つ以上のAIを使ったものは32件ある。
稟議チェックは数時間が30分程度 規程と証憑をGemini Notebookへ
稟議データの事例は内部監査の担当者のものだ。実際の証憑と関連規程をGemini Notebookのソースに読み込ませ、ルール違反や不審な申請を抜き出させた。数時間かかっていた作業が30分程度になったという。
チェックの観点は箇条書きで渡している。申請者が適切か・承認権限・事後承認の有無・記載の過不足の4つだ。1回で完璧を求めず、答えを見ながら指示を直していくのがコツだとしている。
ほかの非エンジニアの事例も中身が具体的だ。提案の大枠とスライドのたたきは3日〜1週間から半日になった。インタビュー記事の原稿は、文字起こしをGemini Notebookで済ませてClaudeに書かせ、5営業日から1時間に縮めている。経理の領収書の判定は1件30秒から10秒だ。
Gemini Notebookは無料のままでもチャットを1日50回まで使える。AInformationの調べでは、有料の枠はGoogle AI Plusの月725円から入れる。

まねする前に確かめる2点 Gemは11月で終わる
1つ目は社内で使えるAIの契約だ。113件の多くはGoogleのAIを前提にしている。社内のAIがMicrosoft 365のCopilotだけなら、Copilotを使った事例は3件しかないので手順を読み替えることになる。
2つ目はGemの扱いだ。11件の事例は、Geminiに役割を覚えさせるGemを使っている。KDDIアイレットのブログによると、Gemは「スキル」へ移り、個人アカウントでは2026年11月にサポートが終わる。Google Workspaceのビジネス向けアカウントは2027年3月までで、既存のGemは自動でスキルへ移る。
削減時間の書き方もそろっていない。前と後の時間が分で出てこなかった事例は13件あり、「50%削減」「一発回答」のような書き方だった。まずは自分の業務と同じ分野で絞り込み、プロンプト付きの事例から1つ試すのが近道になる。

- Gem
- Geminiに役割や指示を覚えさせて自分専用に使う機能。今後は「スキル」へ移り、個人向けは2026年11月にサポートが終わる
社内で事例を集めると書く人によって中身の細かさがばらつく。KDDIアイレットはGemに聞き取りをさせて形をそろえており、113件まで続いたのはそこが大きいとみている。まねする側は、自社が契約しているAIで事例を選び直す必要がある。Microsoft 365が中心の会社の情報システム部門は、Gemini Notebookの手順をCopilotで再現できるかを先に確かめておきたい。そうしないと事例集を配っても現場で止まる。削減時間は社員の申告なので、自社では前後の時間を測ってから稟議に載せたい。
- KDDIアイレットのAI活用事例はだれでも無料で見られる?
- 見られる。特設サイト「AI 活用事例 – KDDIアイレット社員の AI 実践録」で113件を公開している。編集部が10月29日に開くとログインなしで全件を読めた。活用カテゴリと使用ツールで絞り込めて、113件のうち70件には実際に使ったプロンプトが載っている。
- Gemini Notebookで稟議データをチェックするには?
- 証憑と社内規程をGemini Notebookのソースに入れ、チェックの観点を箇条書きで指示する。KDDIアイレットの内部監査の事例では、観点は申請者の適切性・承認権限・事後承認の有無・記載の過不足の4つだった。数時間かかっていた作業が30分程度になったという。答えを見ながら指示を直していくのがコツだとしている。
- 事例に出てくるGemはこれからも使える?
- Gemは「スキル」へ移る予定だ。KDDIアイレットのブログによると、個人アカウントでは2026年11月にGemのサポートが終わる。Google Workspaceのビジネス向けアカウントは2027年3月までだ。既存のGemは自動でスキルへ移るので、Gemを使う11件の事例をまねするときはスキルとして作ることになる。
- Gemini Notebookは無料でどこまで使える?
- AInformationの調べでは、無料のままだとチャットが1日50回、音声解説が1日3件までだ。有料の枠はGoogle AI プランに入ると使える。いちばん安いGoogle AI Plusは月725円で、日本円で払える。稟議チェックのように何度も指示を直す使い方なら、1日の回数を先に見ておきたい。
この記事の出典
補助資料
- [1]ITmedia AI+この記事の元にした報道
出典の最終確認日:2026年10月29日
