Genie 4は音と会話まで作る 提供はまだ限られたテスターだけ
Google DeepMindは10月27日(現地時間)、仮想世界をリアルタイムで作るワールドモデル「Genie 4」を発表した。いまは信頼できるテスターに研究プレビューとして出しただけで、一般の人はまだ使えない。今後は「Project Genie」でGoogle AI Ultraの加入者に、Gemini APIとGoogle AI Studioでは早期アクセスのパートナーに広げる計画だ。
Genieの特徴は、操作に合わせて次の場面を作り続けるところにある。完成した映像を流す動画生成AIと違い、歩いたり物を動かしたりするとその結果がすぐ画面に出る。Genie 4では言葉で天気を変えたり人や物を足したりでき、風や波の音と登場人物の会話も同時に作るようになった。
裏で支えるのはGeminiだ。Gemini Omniが現実に近い見た目と動きを担い、Gemini 3.8 Flashが生成中の場面を見張って手順を立て直す。Gemini 4 Argonと組んでロボットの作業を再現する実験もあり、デモの動画はGoogle DeepMindの公式ブログで見られる。

- 2025年8月Genie 3を発表
- 2026年1月Genie 3を使うProject Genieを試験提供
- 5月Googleストリートビューとの連携を発表
- 10/27Genie 4を研究プレビューとして発表
日本のUltraで今使えるのはGenie 3 1つの世界は60秒まで
日本のUltra加入者でも、いまProject Genieで動くのは前の版のGenie 3だ。日本の料金ページも、Ultraの特典に並ぶProject Genieの中身を「Genie 3 世界モデル」と書いている。料金ページとGoogle Labsのヘルプを10月28日に確かめたが、Genie 4の名前は出てこなかった。
ヘルプによると、Project GenieはUltraを売っている国で18歳以上の加入者が使える。作った世界を歩けるのは1つにつき60秒だ。混んでいるときは順番を待ち、順番が来たら30秒以内に作り始める決まりになっている。
| 項目 | いまのProject Genie | Genie 4 |
|---|---|---|
| 中のモデル | Genie 3 | Genie 4 |
| 使える人 | Ultra加入者(18歳以上) | 信頼できるテスターだけ |
| 1回の長さ | 1つの世界を60秒 | 続けて操作できるのは数分程度 |
| 音と会話 | なし | 環境音・音楽・会話を同時に作る |
| 日本での料金 | Ultraの月額に含む | 発表なし |
Genie 3の欄はGoogle Labsのヘルプと日本の料金ページ、Genie 4の欄はITmedia NEWSとGoogle DeepMindの発表による。どちらも10月28日に確認した。
Project Genieを使うにはGoogle AI Ultraへの加入が要る。日本の料金ページは、Proの5倍まで使える月14,500円と20倍まで使える月32,000円の2段を並べる。
どちらで使えるかの書き分けはないが、Googleが5月19日に出した英語の告知は対象を200ドルのUltraとしている。米国の200ドルの段はProの20倍なので、日本では32,000円の段にあたる可能性が高い。

地図から作れるのは米国の場所だけ ログインなしでは進めなかった
編集部がログインしないままProject Genieを開くと、画面の上に英語で「Google AI Ultraのプランが必要」という帯が出た。世界を作る画面には進めなかった。
続けて出た案内には、Googleマップで選んだ場所から世界を作れると書いてある。ただし使えるのは米国の場所だけだ。
ヘルプにも、ストリートビューを使う作り方は米国内の場所に限ると書かれている。東京の駅や自社の店舗の前を地図から呼び出して歩く使い方は、いまはできない。
日本の会社でまず効きそうなのは、映像やイベントの企画で場面を先に見せる使い方だ。ただ長く使うと物の見た目や位置がずれるので、仕上げの素材に使うのはまだ早そうだ。Googleは先日もAI4体でマインクラフトのボスを倒す実験を見せていて、ゲームの中でAIを鍛える流れが続いている。

試すならウェイトリストが先 Ultraの契約は急がない
Genie 4を早く触りたい人は、まずProject Genieのウェイトリストに登録しておく。フォームは英語だけで、最初にGoogle AIのどのプランに入っているかを聞かれる。
- すでにUltraに入っている人は、Project GenieでGenie 3の60秒が用途に合うかを見ておく
- Genie 4のためだけに32,000円の段へ入らない。提供日はまだ出ていない
- 作った映像と音声にはSynthIDの透かしが入ると、社内で共有しておく
開発者向けのGemini APIでの提供も、いまは早期アクセスのパートナーに限られる。自社のアプリや研修教材に組み込めるかは、APIが広く開いたときの料金と条件で決まる。

- ワールドモデル
- 操作や指示に合わせて、次に見える場面をその場で作り続けるAI。完成した映像を流す動画生成AIとは仕組みが違う
- SynthID
- Googleが生成した映像や音声に埋め込む目に見えない電子透かし。AIで作ったものかを見分けるのに使う
企業の研修や企画の現場で、Genie 4がまず役に立ちそうなのはイベントや映像の下見だ。ただ日本でいま試すには、Ultraの上の段の月額を払ってGenie 3の60秒の世界を歩くしかない。稟議に乗せるなら、1人分を1か月だけ契約して作った世界を録画し、企画会議で見せる小さな試し方になりそうだ。本当の分かれ目は、Gemini APIでGenie 4が広く開いたときに研修教材やゲームの会社がどこまで組み込めるかだとみている。
- Genie 4は日本で使える?
- 10月28日時点では一般の人はまだ使えず、日本も同じだ。Genie 4はまず信頼できるテスターに研究プレビューとして出ただけで、Google AI Ultra加入者への提供日は発表されていない。日本のUltra加入者がProject Genieでいま使えるのは前の版のGenie 3になる。Genie 4を待つ人はProject Genieのウェイトリストに登録できる。
- Project Genieはいくらで使える?
- Google AI Ultraへの加入が要り、日本の料金ページでは月14,500円と月32,000円の2段がある。Googleの英語の告知は対象を200ドルのUltraとしており、日本では32,000円の段にあたる可能性が高い。使えるのは18歳以上で、世界を作るのにAIクレジットは使わない。1つの世界を歩けるのは60秒までだ。
- Project Genieで日本の街を元に世界を作れる?
- Googleマップで場所を選んで世界を作る機能は、米国の場所でしか使えない。編集部が開いたProject Genieの案内とGoogle Labsのヘルプに同じ条件が書かれている。日本の景色を元にしたいなら、文章や画像で場面を伝えて作ることになる。Genie 4でこの条件が変わるかどうかは、発表には書かれていない。
- Genie 4はどれくらい続けて操作できる?
- 続けて操作できる時間は数分程度だとITmedia NEWSは伝えている。長く使ったり指示を重ねたりすると物の見た目や位置がずれることがあり、Google DeepMindも課題として挙げている。複雑な物理の動きや音声の正確さ、読める文字の描画もまだ研究の途中だ。いまのProject Genieでは1つの世界が60秒で区切られる。
この記事の出典
補助資料
- [1]ITmedia AI+この記事の元にした報道
出典の最終確認日:2026年10月28日
