Museの共有リンク6800件超 第三者が中身まで開けた
Museで共有した会話は、リンクを受け取っていない人でも開ける状態だった。セキュリティ企業のClarocが共有ページ用のドメイン「cf.metaaiusercontent.com」を調べ、6800件以上の共有リンクを見つけた。会話の題名から中身を推測できたうえに、識別子まで含む完全なアドレスも取れたという。
Museは2026年9月8日にMetaが発表したAIエージェントだ。利用者の代わりに情報を探し、メールの送信や旅行の予約、文書作成までこなす。会話を専用のリンクで人に見せる共有機能も付いている。
見つかった中には、従業員数十人の休暇予定をまとめたカレンダーもあった。調査の時点では従業員の名前と休む時期まで読めたとClarocは説明している。

- 9/8MetaがAIエージェントのMuseを発表
- 10/8Clarocが脆弱性報告プログラムでMetaに報告
- 10/20Clarocが40件を再確認し、すべて開けなくなっていた
原因は題名入りのアドレス パッシブDNSに記録が残った
漏れた理由は、会話の題名がアドレスの「サブドメイン」に入っていたことだ。Museの共有リンクは題名とランダムな識別子を組み合わせて作られていた。例は「home-sale-budget-9f21c8a3.cf.metaaiusercontent.com」だ。前半の「home-sale-budget」が題名、「9f21c8a3」が識別子にあたる。
サブドメインは、接続先を調べるDNSの仕組みを通じて外部に記録されることがある。誰かが共有リンクを開くと、その記録を集めて検索できるようにするパッシブDNSに、題名と識別子ごとアドレスが残る場合があった。ランダムな文字列で推測を防いでいても、アドレス全体が記録されれば意味がなくなる。
| 項目 | 内容(Claroc の調査とMetaの回答) |
|---|---|
| 見つかった共有リンク | 6800件以上 |
| 見つけ方 | 共有用ドメインをパッシブDNSで検索 |
| Metaへの報告 | 2026年10月8日に脆弱性報告プログラムで報告 |
| Metaの対応 | 見つかる仕組みの変更を検討する間は共有機能を停止 |
| 10月20日の再確認 | 以前開けた40件はすべて開けなくなった |
| まだ残るもの | 題名を含むドメイン名はパッシブDNSの履歴に残る |

日本のApp StoreにMuseは無い 影響は入れられた国の利用者だ
日本からMuseを入れて使っていた人は、iPhoneではまずいない。AInformationが10月21日にApp Storeの検索APIでMuseのアプリを日本向けに引くと1件も出てこなかった。日本のストアのページは404だった。米国向けでは同じアプリが版12.0で出ていて、対応言語の一覧には日本語も入っている。
Androidで日本から入れられるかは確かめていない。関係があるのは、米国のアカウントで使っていた人と海外の取引先から共有リンクを受け取った人だ。
Museをめぐっては、Facebook Marketplaceの対応を任せたら勝手に値下げして住所を公開した件がこれまでに出ている。許可していないメッセージを読んでいるとの指摘もあった。MetaのAIエージェントは、できることが広いぶん外に出る情報も多い。

Metaは共有を停止 題名の付け方まで見直したい
Metaは報告を受けて会話の共有機能を一時停止した。海外メディアのArs Technicaの問い合わせに、見つかる仕組みの変更を検討する間は止めると答えている。悪用された証拠は見つかっていないとClarocは述べた。
ただし題名入りのドメイン名は履歴に残ったままだ。共有ページが開けなくなっても、題名だけで「自宅の売却予算」のような中身は伝わってしまう。会話の題名は自動で付くことが多いので、題名そのものが情報になると考えておきたい。
Clarocは、AIの共有機能を使うときは共有した情報を誰が見られるのかを確かめることが大事だとしている。社外の人に会話を見せる前に、リンクを知っていれば誰でも開けるのかを確かめておきたい。題名がどこに出るのかも1度見ておくとよさそうだ。
- パッシブDNS
- インターネットで調べられた接続先の記録を集め、あとから検索できるようにするサービス。共有リンクのアドレスもここに残ることがある
企業のAI利用ルールは「何を入力してはいけないか」で止まっていることが多く、共有ボタンまで決めている会社は少ないとみている。今回は中身より先に題名が外へ出た。自動で付く題名に顧客名や案件名が入れば、リンクを開かれなくてもそれだけで情報になる。情報システム部門は、共有リンクは公開ページと同じ扱いだと利用ルールに1行足し、社外へ見せるときは要点を書き写して渡す運用にしておくと、ツールが変わっても通用しそうだ。
- Meta Museは日本で使える?
- iPhoneでは10月21日時点で日本のApp Storeに出ていない。AInformationがApp Storeの検索APIで日本向けに引くと0件で、日本のストアのページは404だった。米国向けでは版12.0が出ていて、対応言語に日本語が入っている。Androidで日本から入れられるかは確かめていない。
- Museで共有したリンクはもう見られない?
- Clarocが10月20日に以前開けた共有ページ40件を確かめると、すべて開けなくなっていた。Metaは共有機能を一時停止している。ただし題名を含むドメイン名はパッシブDNSの履歴に残っているので、題名から中身を推測される余地はある。
- ランダムな文字列があるのになぜ見つかった?
- 会話の題名と識別子がアドレスのサブドメインに入っていて、リンクを開くとDNSの記録としてアドレス全体が外部に残ったためだ。パッシブDNSでMuseの共有用ドメインを検索すると6800件以上が見つかった。推測されにくい文字列でも、記録が残れば防げない。
この記事の出典
補助資料
- [1]GIGAZINEこの記事の元にした報道
出典の最終確認日:2026年10月21日
