AI定期巡回は12月開始 確認したい項目を文で書くだけで判定する
パナソニック コネクトは10月6日、クラウドカメラのサービス「Cameleo(カメレオ)」に「AI定期巡回」を12月から加えると発表した。生成AIが防犯カメラなどの映像を決まった間隔で確かめ、気になる所を文章と画像で管理者に知らせる。
- 文で指示する:清掃が行き届いているかや売り出し中の商品の棚が空いていないかを文で書く。よく使う項目はテンプレートがある
- 間隔とメール:判定は最短10分おきで、時間帯や曜日も絞れる。見つかったときは判定時の画像つきのメールが届く
- 工事がいらない:今の利用者はカメラの買い替えもネットワーク工事も要らない。用途ごとにAIを学習させる手間もない
「あるべき状態」の画像を登録しておけば、いまの画像との違いで判定させることもできる。編集部が10月6日にCameleoの公式サイトを開くと、お知らせ欄に9月17日付で12月から提供するという告知が載っていた。
- 2025コンビニ3店舗の売場で実証実験を始めた
- 10/6AI定期巡回の提供を発表した
- 12月Cameleoの機能として提供を始める
コンビニ3店で実証 SVは写真を頼まずに売場を見られた
パナソニック コネクトは2025年から、コンビニ3店舗の売場で実証実験を続けてきた。複数の店を受け持つスーパーバイザー(SV)は、それまでPOSの数字から売場を推し量るか店員に写真を頼むしかなかった。
実証では生成AIが売り出し中の商品の欠品や陳列の少なさ、販促POPの貼り忘れを拾い出した。SVからは「店舗に写真送付を依頼する必要がなくなった」という声が出ている(ZDNET Japanによる)。
狙う先は店を多く持つ小売や公共施設で、ビルや工場の設備点検や河川の安全確認にも広げる構えだ。一方でCameleoをまだ使っていない会社は、カメラとネットワークを自分で用意するところから始まる。
料金は台数と保存期間で決まり金額は問い合わせ
Cameleoの公式FAQによると、初期費用はかからず月額料金だけで使える。月額はカメラの台数と録画の保存期間(7日・14日・31日・92日)で変わるが、金額は問い合わせになっている。最低利用期間は1年だ。
AI定期巡回に追加の料金がかかるかどうかは、発表にもFAQにも書かれていなかった(10月6日時点)。

汎用AIで試す 1列の欠品はGPT-6.1 Solだけが当てた
写真を1枚渡して聞くだけなら、同じ確認は汎用のAIでもできる。編集部は10月6日にWikimedia Commonsの売場写真4枚を3つのモデルへAPIで5回ずつ渡した。聞いたのはCameleoの例文に近い「商品が切れて空になっている棚はないか」だ。
| 写真(編集部の見立て) | GPT-6.1 Sol | GPT-6 Luna | Gemini 3.7 Flash |
|---|---|---|---|
| マスク売場(全部空) | 5回中5回あり | 5回中5回あり | 5回中5回あり |
| ドリンク剤の棚(1列だけ空き) | 5回中5回あり・場所も合った | 4回中4回あり・場所は違った | 5回とも「なし」 |
| 弁当の棚(並んでいる) | 5回中5回なし | 5回中5回なし | 5回中5回なし |
| 下段が空いた棚 | 5回中5回あり | 5回中5回あり | 5回中5回あり |
分かれたのはドリンク剤の棚だけだ。GPT-6.1 Solは5回とも「下から2段目の右寄り」と答え、編集部が拡大して見つけた空きと同じ場所だった。GPT-6 Lunaは「上段の中央」を挙げたが、そこは背の低い箱が置かれた所だ。「あり」は合っていても場所を取り違えた。
Gemini 3.7 Flashは5回とも「隙間なく陳列されている」と答え、1列の空きを指摘できなかった。この1枚に限れば、GPT-6.1 Solのほうが細かい欠品に強い。1枚の判定にかかった時間の中央値は、Solの3.0秒とLunaの2.9秒に対してGeminiは3.3秒だった。
費用も見ておく。Gemini 3.7 Flashは1回の判定で入力が約1,130トークン、出力が思考の分を含めて約230トークンだった。公式の単価で1回0.27円になる。1台を10分おきに30日見せると4,320回で7.43ドルになり、日本円では1,175円前後だ。ただし録画や通知の仕組みは入っていない。
試した条件:2026年10月6日、APIで既定の設定のまま各モデルに4枚×5回。答えの1行目の「あり」「なし」と2行目の場所を編集部が写真と見比べた。GPT-6 Lunaのドリンク剤の棚は1回が通信エラーで4回。Claude Sonnet 5はAPIが認証エラーになって測れなかった。写真はWikimedia Commonsで公開されている4枚(CC BY-SA 4.0とCC BY-SA 2.0)。為替は1ドル158.23円(10月5日の欧州中央銀行の値)。

Cameleoの利用者がまずやること 確認項目を1文ずつ書き出す
いまCameleoを使っている会社は、12月までに巡回させたい確認項目を1文ずつ書き出しておきたい。テンプレートに無い項目は、自分で文を書くことになる。
- どのカメラに何を確かめさせるかを、売場ごとに1文で書く
- わざと1列だけ空けた棚を撮り、AIが見つけるかを試す
- 「あるべき状態」の画像を登録した判定と、文だけの判定を比べる
- 見積もりでは、AI定期巡回の分が月額に足されるかを聞く
編集部の試験では、小さな欠品はモデルしだいで見落としが出た。まだCameleoを使っていない会社は、まず手元の売場写真を汎用AIに1枚渡して手応えを見るのも手だ。12月に提供が始まれば、どこまで細かい変化を拾えるかがはっきりする。

店舗の巡回をAIに任せるとき、最初につまずくのは確認項目の文の書き方だとみている。「棚が空いていないか」だけでは、背の低い商品の上のすき間まで欠品と取られることがある。編集部の試験でも、場所の取り違えと見落としの両方が出た。SVを抱える部門は、通知が来たら誰が何分以内に見るかを先に決めておきたい。見落としをどこまで許すかも同じだ。通知が多すぎると、メールが開かれなくなる可能性がある。
- AI定期巡回はいつから使える?
- 2026年12月から使える予定だ。パナソニック コネクトがクラウドカメラのCameleoの追加機能として出す。今のCameleoの利用者はカメラの買い替えもネットワーク工事も要らない。判定は最短10分おきで、時間帯や曜日も絞れる。
- Cameleoの料金はいくら?
- 金額は公開されておらず問い合わせになる。公式FAQでは初期費用はかからず月額料金だけで、カメラの台数と録画の保存期間で月額が変わる。保存期間は7日・14日・31日・92日から選べ、最低利用期間は1年だ。AI定期巡回に追加の料金がかかるかは10月6日時点で書かれていない。
- ChatGPTやGeminiでも同じ判定はできる?
- 写真を1枚渡して聞くことはできるが、小さな欠品では見落としが出た。AInformationが10月6日に売場写真4枚を5回ずつ渡すと、1列だけ空いた棚を場所まで当てたのはGPT-6.1 Solだけだった。Gemini 3.7 Flashは5回とも見落とした。10分おきに自動で回してメールで知らせる仕組みは自分で作ることになる。
この記事の出典
補助資料
- [1]ZDNET Japanこの記事の元にした報道
出典の最終確認日:2026年10月6日
