Meta、AI学習の文言を規約から外した 広告用に限ると説明
Metaは、事業者向けの「商用利用規約」の更新案から、サイトの中身をAIの学習に使えると読める文言を外しました。The Vergeの報道をTechCrunchが伝えています。Metaは声明で「まとめたクロールの条項は広告とビジネス製品にだけ当てはまる。規約の中でもそれをはっきりさせた」と説明しました。
問題になっていたのは、ビジネスアカウントを持つ会社のドメインやページの中身を、Meta製品の開発や改善、学習などに使えるとした一文です。Nieman Labが取材した法律の専門家は、ニュースサイトを含む事業者のサイトをAIの学習用に集める許可になりうると指摘していました。
Metaの広報担当者は、もともと規約の更新でウェブの巡回のやり方は変わらないと話していました。今回の声明でも「Metaのクローラーの使い方は変わらない」としています。Metaは昨年の著作権をめぐる大きな訴訟で勝っていますが、AI企業を相手にした訴訟はほかにも続いています。

英語版から「train」は消えた 日本語版は「トレーニング」のまま
AInformationは10月18日の午前10時すぎに、Metaの更新後の商用利用規約を英語版と日本語版で開いて比べました。英語版の条文は、使う目的を「広告とビジネス製品の提供・開発・改善・研究・維持」と、Meta製品の安全の維持に書き換えています。英語版の全文を「train」で探しても1か所も出てこなかったので、学習を指す語は英語版から消えています。
日本語版の同じ条文は違いました。「提供、開発、改善、調査、トレーニング、およびその完全性を維持する目的で使用することができます」と、学習に当たる語が残ったままです。ページの上部には、更新後の規約が2026年10月30日から有効になると書かれています。
| 項目(10月18日にAInformationが確認) | 英語版 | 日本語版 |
|---|---|---|
| サイトの中身を使う目的 | 広告とビジネス製品の提供・開発・改善・研究・維持 | Meta製品の提供・開発・改善・調査・トレーニング |
| 学習を指す語 | trainは出てこなかった | 「トレーニング」が1か所 |
| 更新後の規約の発効日 | 2026年10月30日 | 2026年10月30日 |
日本語版の訳が後から英語版に追いつく可能性はあります。ただ確認した時点では、英語版で直った中身が日本語版には入っていませんでした。

Metaで広告やページを使う会社が対象 日本語版の扱いは説明がない
商用利用規約がかかるのは、事業や商用の目的でMetaの製品を使う人です。規約の冒頭には、広告やマーケティングメッセージの利用、商品の販売、ページやグループの管理、広告マネージャやMeta Business Suiteの利用が例として並んでいます。FacebookやInstagramで広告を出している会社や、会社のページを運用している会社はほぼ当てはまります。
気になるのは日本語で規約を読む会社の扱いです。Metaの声明は英語版の文面を直したことに触れているだけで、日本語版をいつ合わせるかは書かれていません。10月30日の発効までに日本語版が直るかどうかで、日本の法務担当者が読む文面が変わります。
AInformationは前日の10月17日に、日本語版にも同じ文言が入り10月30日に発効すると伝えました。英語版はその後に直りましたが、日本語版にはその文言がまだ残っています。

10月30日までに日本語版を開き直す 確かめる3つの点
広告やページを運用している会社は、発効日の前に日本語版の規約をもう一度開いておきたいところです。見る場所は3つに絞れます。
- 更新後の規約の日本語版で、「トレーニング」の語が消えたか
- 英語版と同じく、サイトの中身を使う目的が広告とビジネス製品に絞られたか
- 自社サイトへのMetaのクローラーの出入りを、サーバーの記録で把握しているか
Metaはクローラーの使い方を変えないと言っています。つまり巡回そのものは続くので、規約の文面がどこまで絞られるかが会社側の判断材料になります。日本語版が直らないまま10月30日を迎えるかどうかが、次に見るところです。

- 商用利用規約
- Metaの製品を広告や商品の販売、ページの管理など事業の目的で使う人にかかる規約。個人向けの利用規約とは別にある
日本の会社でまず起きそうなのは、広告担当が英語版の修正のニュースを見て安心し、法務は日本語版の文面で同意する、というずれです。社内で説明するときに「英語版では直った」だけでは根拠として弱いとみています。広告の運用担当と法務で、どの版の文面を正とするかを先に決めておくとよさそうです。今回は外部の指摘で文言が直ったので、事業者の側でも使っている規約の差分を定期的に見る係を置く必要がありそうです。
- Metaの商用利用規約でサイトがAI学習に使われる文言は消えた?
- 英語版からは消えましたが、日本語版には残っています。AInformationが10月18日に更新後の規約を開くと、英語版は使う目的を広告とビジネス製品に絞っていました。日本語版の同じ条文には「トレーニング」の語がそのまま入っています。どちらも発効は2026年10月30日です。
- Metaの商用利用規約は誰に関係する?
- 事業や商用の目的でMetaの製品を使う会社や人に関係します。規約には、広告やマーケティングメッセージの利用、商品の販売、ページやグループの管理、広告マネージャやMeta Business Suiteの利用が例として並んでいます。FacebookやInstagramで広告を出す会社や、会社のページを運用している会社はほぼ当てはまります。
- Metaのクローラーは今後もサイトを巡回する?
- 巡回は続くとみてよさそうです。Metaは声明で、規約の変更はクローラーの使い方を変えるものではないと説明しています。今回直したのはサイトの中身を何に使えるかという文面で、巡回をやめるとは言っていません。自社サイトへの出入りはサーバーの記録で確かめられます。
この記事の出典
補助資料
- [1]TechCrunchこの記事の元にした報道
出典の最終確認日:2026年10月18日
