「ハイブリッドインテリジェンス」を宣言 AIはまず手元のPCで動かす
Microsoftは10月7日(現地時間)、Windowsを「ハイブリッドインテリジェンス」の基盤にする方針を出した。AIエージェントをふだんは手元のPCで動かし、大きな力が要るときだけクラウドへ回す仕組みをOSに組み込む。Windows + Devices担当EVPのパヴァン・ダヴルリ氏が公式ブログで説明した。
理由は費用だ。手元とクラウドを組み合わせれば、最先端の力を保ったままトークンの消費を抑えられるという。
振り分けにはGitHubの「HydraFusion」を使う。PC上のモデルも振り分け先に加え、Visual Studio Codeなどで10月中に実験的なプレビューとして出る。
手元で動かすモデルも示した。コーディング向けの「MAI Code 1.1 Flash」は3bitに量子化してサイズを約8割減らし、256Kトークンの文脈に対応する。ただしITmediaは、ここでいう手元のPCをRTX Spark搭載機かそれに近い性能の機械だとみている。

- 10/7MicrosoftがWindowsの新方針とMXCの一般提供を発表
- 10/16Surface Laptop Ultraなど各社のRTX Spark機が出荷開始
- 11月Surface RTX Spark Dev Boxが米国で出荷
MXCを一般提供 Claude Codeはまだ対応前だ
安全面ではAIエージェント用の実行環境「Microsoft Execution Containers」(MXC)の一般提供を始めた。エージェントが触れるファイルやネットワークを組織が決め、動いている最中もその決まりを守らせる。
TechCrunchによると、サティア・ナデラCEOはこの機能をWindows 11の全ユーザーに出すと話した。
対応はエージェントごとに分かれている。
| 状態 | エージェント |
|---|---|
| 対応済み | OpenAIのCodex・GitHub Copilot・OpenClaw・Replit・LM Studio・NVIDIAのOpenShell・Unsloth AI |
| 対応予定 | AnthropicのClaude Code・Box・Manus・Perplexity・Raycast |
| 近く登場 | MetaのMuse(MXCと組んだWindowsアプリとして) |
同じコーディングのエージェントでも、Codexはもう対応している。Claude Codeはまだ予定の段階で、時期は書かれていない。社内で両方を使っているなら、MXCで縛れるのは当面Codexの側だけになる。

新Surfaceは51万3,480円から 米国より約10万円高い
手元のAIを担う機械として、RTX Spark搭載の「Surface Laptop Ultra」の予約が始まった。日本語版の販売ページでは51万3,480円からで、16日に出荷する予定だ。メモリは最大128GBで、1200億パラメータを超えるモデルを手元で動かせるという。
ただし128GBを選べるのは6144コアGPU・20コアCPUの上位版だけだ。上位版は70万7,080円からで、128GBにすると109万4,280円になる。
米国の価格はTechCrunchによると2,600ドルからと3,700ドルからの2つだ。10月7日の欧州中央銀行の値(1ドル158.23円)で円にすると、約41万1,398円と約58万5,451円になる。日本の51万3,480円と70万7,080円は、それぞれ約10万円と約12万円高い。
税の扱いは記事に書かれていないので、差のすべてが日本だけの上乗せとは言えない。MacBook Proの下取りで最大1,000ドル戻るキャンペーンも米国とカナダだけだ。開発者向けの「Surface RTX Spark Dev Box」も5,999ドルで、米国の公式サイトでしか買えない。
同じチップを積む他社機もそろう。DellのXPS 16 Creator Editionは米国で3,800ドルと、Surfaceの最安より1,200ドル高い。
新CopilotはCopilot+ PC向け 社内の機種を先に見る
AIアシスタントの「Copilot」は「Home」「Code」「Autopilot」の3つで組み直す。Copilot+ PCでは利用者の許可を前提に、手元で動く機能が使えるようになる。Codeは1つの指示からWindowsのアプリを作り、MXCの中でコードを安全に動かす。
Autopilotは利用者が別の作業をしている間も動き続ける個人用のエージェントだ。どれも今後数カ月かけて順に出すとしており、日付はまだ無い。
会社として先にやることは2つある。まず社内のPCがCopilot+ PCかどうかを台帳で確かめておきたい。次に、社員が使っているコーディングのエージェントが上の対応表に入っているかを見る。
手元でモデルを動かしたいだけなら、すぐに51万円の機械を買わなくてもよさそうだ。HydraFusionのプレビューでどの仕事が手元に回るかを見てから決めても間に合う。Claude CodeやPerplexityがMXCに入れば、会社のPCでAIを縛る仕組みはWindowsの標準になっていく可能性がある。
- MXC
- Microsoft Execution Containersの略。AIエージェントが触れるファイルやネットワークを組織が決め、動いている間も守らせるWindowsの実行環境
- RTX Spark
- NVIDIAが6月に発表したWindows PC向けのチップ。Blackwell世代のGPUとGraceのCPUを組み合わせ、最大128GBのメモリを共有する
会社の目で見ると、効くのは51万円の機械よりMXCのほうだ。社員が自分で入れたコーディングのエージェントがどのフォルダに触れるかを、情報システム部門がWindowsの側で決められるようになる。ただ対応表はCodexとGitHub Copilotが先で、Claude Codeは予定のままだ。両方を使わせている会社では、片方だけ縛れる期間がしばらく続く。その間はClaude Codeを使う部署と触ってよい範囲を紙1枚で決めておかないと、MXCを入れても穴が残りそうだ。
- Surface Laptop Ultraは日本でいくら?
- 最安は51万3,480円で、日本語版の販売ページで予約を受け付けている。16日に出荷する予定だ。最大の128GBメモリを選べるのは6144コアGPU・20コアCPUの上位版だけで、上位版は70万7,080円から、128GBにすると109万4,280円になる。米国では2,600ドルからと3,700ドルからの2つの価格で売られている。
- 新しいCopilotの機能はどのPCで使える?
- Copilot+ PCが対象だ。Copilotは「Home」「Code」「Autopilot」の3つで組み直され、利用者の許可を前提に手元で動く機能が使えるようになる。Microsoftは今後数カ月かけて順に出すとしており、具体的な日付はまだ示していない。Codeは1つの指示からWindowsのアプリを作れる。
- Claude CodeはWindowsのMXCで動かせる?
- まだ対応していない。MicrosoftはAnthropicのClaude Codeを対応予定に挙げているが、時期は書かれていない。すでに対応しているのはOpenAIのCodex・GitHub Copilot・OpenClaw・Replit・LM Studio・NVIDIAのOpenShell・Unsloth AIの7つだ。Box・Manus・Perplexity・Raycastも対応予定に入っている。
- Surface RTX Spark Dev Boxは日本で買える?
- 日本では買えない。開発者向けの小型デスクトップで価格は5,999ドルだが、販売は米国の公式サイトに限られ、出荷は11月に始まる。1200億パラメータを超えるモデルを手元で動かせるとされ、Visual Studio CodeやGitHub Copilotなどの開発ツールを入れた状態で届く。
この記事の出典
補助資料
- [1]ITmedia AI+この記事の元にした報道
出典の最終確認日:2026年10月8日
